第6話 ページ6
「前職は・・・・・・おい、これ極秘ってなんだ」
これじゃ履歴書の意味ねぇじゃねーかと的確なツッコミ鬼の副長土方さんが問う。
「極秘は極秘なんで」
「総悟お前なんか知らねーのか」
「さぁ、俺も知らねぇ。そのぐらい極秘なんでしょ」
「総悟も知らんとは相当だな・・・。A、俺にだけコソッと教えてくれない?ね?」
「なんで極秘を暴露しなきゃならんのですか。やです」
「・・・局長がダメなら俺に教えろA」
ずい、と土方さんがやってきた。俺が女の子ならときめくのだろうけど、生憎俺は男である。
兄に助けを求めると、凄く怖い笑顔でガシッと肩を掴まれた。
「なぁ、A。俺には教えてくれるよな??な???」
「例え相手が兄でも俺は教えん。ダメ」
「教えろィA。で、無いと俺の必殺技が繰り出されるぜ。テメーの腹に」
「ぐっ、言わない!!ダメったらダメ!!」
「そんなに嫌ならなんでここに来た。前職が極秘なら入れねぇぞここは。そんな中途半端な履歴書なら武州でもなんでも帰ればいいだろ」
「ゔっ・・・・・・・・・」
土方さんの言葉が胸に刺さる。
だからといって・・・・・・だからといって、極秘がバレたら俺は上に・・・。
「ぐっ、、、じ、実は・・・ッ」
言えるわけない。俺が“攘夷志士のスパイ”だったなんて口が裂けても言えない。
しかも、前職ではない。現在進行形である。
だが、俺はこの裏をとって真選組のスパイとして攘夷志士をスパイすればいいのでは?人生楽しくない?
ヒヤヒヤスリルが味わえる訳である。ぐふふ。
要するに、スパイをスパイするのだ。ぐふふ。
「ぐふふ」
「おい何笑ってんだお前」
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作者名:のろすけ | 作成日時:2022年6月22日 7時