第26話 ページ26
「お前怪我大丈夫なのか」
「大丈夫!大丈夫!いぇいぇーーい!!」
「なんか腹立つわお前」
「酷!」
教えられた場所に潜入するや否や無駄に飛び跳ねたりするもんだから「仕事する気あんのか」と注意すれば「ありますよ〜失礼な〜このこの〜」とまたもやおちょくられた。
「お前さ…」
「はい!!!!!!!!!!!!!」
「これ以上俺をイライラさせたら士道不覚悟で切腹な」
「あ、それは嫌っす」
「じゃあさっさと終わらせるぞ」
「うぃーす」
「やっぱり切腹でいい?」
そんなこんなであっさりと中心部まで来てしまった。
本当にここで合っているのか疑問になる。
殆ど明かりがなく暗闇に満ちた場所でいいのか。
だが、隣にいるAは無表情になり向こうを見ていた。
刀を抜いて足を開く。
「ちょっとこいつァ数が多いや…」
めんどくさ、と声を漏らしたAは先程とは変わったかのようにゆっくりと前に出た。殺気がこの前よりも大きく出ていた。
「あ、土方さんは見てても構わないですぜ。俺、殺るので」
「一人で行くのは危険だろ。俺も行く」
「分かりました」
そう言うとあっという間の出来事だ。
音も立てずに殺っちまう野郎が目にも止まらぬ速さで死体の上に立ち赤く染まった返り血で濡れた顔を少し拭い刀を鞘に納めていた。
「よっっわ…」
何かを吐き捨てる様に言ったような気がしたが土方さんには何も聞こえなかった。
「さーて、帰りましょ!!あ、俺パンケーキ食べたいです!!」
「その身体で行くのはやめとけ!!」
「えー!土方さんのケチ〜。むー」
ぱあっと顔色を変えたAがこちらにスキップして戻ってきた。先程とは違う何かがコイツにはいるのか、と半警戒して屯所へと帰っていった。
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作者名:のろすけ | 作成日時:2022年6月22日 7時