第21話 ページ21
病院に入院してから俺は来る隊士に様々な驚きを与えようと扉にイタズラしてみたり身体を白く塗りたくって後ろから驚かせてみたりしていた。
今日は兄、総悟である。
早速扉を開けた瞬間ぬいぐるみが顔面に当たるドッキリで避けられ侵入された。
そして、ベッドにいるかと思いきや白い壁と一緒になっているところにワザと来て「よいしょ」と体を預・・・あだだだだだだ!!!!!!!
「あーー、ここに丁度いい壁の隙間があるぜ」
いやいや絶対わざとだよね?わかって言ってるよね。
ミシミシと音を立てて俺に全力脱力タイムズしてくるんだけれど。
残念ながらいつも俺のイタズラは兄には効かない。
なんでだ。俺は屈してやっているのに。
「・・・・・・ちょっとごめん。マジイタズラしたのは謝るから退いて・・・ぐるじい“が・・・ら・・・」
「・・・・・・あっれぇ?どこからか声が聞こえるなぁ〜?空道かなぁ?それとも?この俺にイタズラしようとしたガキの声かなぁ?」
「スイマセンデシタ・・・だがっ、おえっ・・・どい“でぇええ!、!!」
「テメーなーにやってるんでィ。顔を顔面蒼白にして」
「たった今真っ青にされたよ!!よりされたよ!!」
「俺にイタズラするなんて100年早ェ」
そういうと「よっこらせ」と総悟兄はお見舞いのリンゴを丸かじりした。
俺も息を整えてからベッドに戻る。
「お前、桂の手下ってバラしたらしいじゃねーか。土方さんから聞いた」
「・・・で、どうするか聞きに来たわけ?」
「ま、そういう事だな」
「総悟兄は・・・・・・どう思ってる。俺に武州に帰って欲しい?それとも、いて欲しいとか」
「いて欲しい?面倒な野郎が同じ場所にいたって俺はどうも思っちゃいねーが。むしろ、じy・・・なんでもねぇ」
「・・・・・・・・・」
やっぱりそうだ。兄にとって、俺は・・・邪魔者でしかない。やっぱり俺には居る場所がない。
上っ面だけのペラペラと紙みたいにこの兄弟の絆は薄い。
「俺には時間がねーの」
「・・・・・・なんでィ。俺にかまちょして欲しいのか」
「・・・」
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作者名:のろすけ | 作成日時:2022年6月22日 7時