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28話 ページ28

貴方サイド


アダムに別れを告げたつもりでもう関わる事はないだろうと思っていたけど…


「…」


13と一緒にいる時、アダムからの視線が痛いほどに伝わってくる

それに気付かないふりをしてそっぽを向くけれど、これが何日も続くと流石に疲れてしまう


「A?どうしたんだよ…そんな浮かない顔して」


心配そうにこちらを覗き込む13に慌てて 大丈夫! と伝える

もしこのことを相談したらまた13がアダムに怒るのは目に見えてるし、もう争いごとは嫌だから

とにかく一人で何とかしないと…


「ちょっとトイレ行ってくる」


少しの間一人になる口実を作り13の元から背を向け離れる

後ろから 報告してまで彼氏に言うことかよ… とボソリと聞こえたのはさておき、トイレに行くわけでもなく人気がないところへと向かう

すると…


「A…話があるのだが聞いてくれるか?」


案の定、アダムが追いかけてきて話しかけられた


「…話だけなら…」


と小さく返事をするとそれだけで嬉しそうに微笑む

そんな彼に戸惑いながらも 早く言って と急かすと


「A…俺はお前に振られようと、拒否されようともどうしても好きだと思ってしまう」

「ッ…まだそんなこと言ってるの…」

「あァ、だからこれからもお前を諦めない

それを伝えるためにここまで追いかけてきたんだ」


そんなことをアダムに言われるなんて想像もしてなくてどう返事をしたらいいか分からずに狼狽えていると


ふとこちらに向かって伸びてくる手


そしてフワリと私の髪に触れて優しく撫でられる


懐かしく優しい温もりで、安心させてくれる手つき


少しだけアダムとの幸せな過去の思い出が蘇る

だけどすぐにハッとなり慌ててその手を弾いた

すると目を見開き驚くアダムだが、すぐにグシャリと顔を歪ませ


「ッ…すまなかった…」


とボソリと呟いた

そんなアダムに罪悪感が湧き上がるけど、仕方がないことだと割り切って背を向け


「…ごめん、もう戻るから」



そう告げて私はその場から離れた

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Omiso(プロフ) - 白虎さん» またのコメントありがとうございます!私も少しこの小説を終わらせることに寂しさを感じちゃいました(笑)けれどこの作品を良いと言って貰えてとても満足しています!次回作は考え中なのでいつになるのか分かりませんが頑張ってみますね!本当にありがとうございました! (2019年4月28日 1時) (レス) id: dc3fcb1081 (このIDを非表示/違反報告)
白虎(プロフ) - 完結おめでとうございます…! そしてお疲れ様でした! 終わってしまい少し寂しい気もしますが、やっぱり感嘆しました…! とても良い作品を書いてくださってありがとうございました、次作の方、楽しみにしてます!! (2019年4月28日 0時) (レス) id: e2f4e0cbf0 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - 13推しさん» 最後まで応援ありがとうございました!貴方様のコメントがとても励みになっていました!この作品を素晴らしいと褒めて下さり、読み返していただけるなんて嬉しすぎるお言葉とても感激です!本当に最後までこの小説につきあって下さりありがとうございました!! (2019年4月28日 0時) (レス) id: dc3fcb1081 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - mikuri1024さん» またのコメントありがとうございます!!今回の小説では病みの13はいませんでしたが、純粋な13を楽しんで頂けてられてたのならとても安心しました…。次回作についてはまだ考え中ですが貴方様の応援の言葉とても嬉しく思います!!本当に最後までありがとうございます! (2019年4月27日 23時) (レス) id: dc3fcb1081 (このIDを非表示/違反報告)
13推し(プロフ) - 完結お疲れ様でした!!いやぁー、とても満足出来ました!素晴らしい作品をありがとうございます!これからもちょくちょく読み返します(笑) (2019年4月27日 23時) (レス) id: ad78e4c495 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Omiso | 作成日時:2019年3月26日 22時

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