夏油くん！と恋愛シミュレーションゲーム【呪術廻戦】

8話・推しとの時間 ページ8

リモコンを操作して、2DAYのファイルを開く。すると、画面は切り替わって奥に観覧車が見える風景に夏油くんと五条と硝子ちゃん三人並んだ場面が表示された。

学校じゃない？観覧車があるということは遊園地っぽいな。どうやら、2日目は休日が舞台なようだ。


『金曜日が初登校ってマジで意味不明だよな。月曜日からにしろっつーの』


五条が不貞腐れたように吐き捨てた。すると、宥めるように夏油くんが


『まぁ、まぁ。けど、こうして休日に四人で集まれたのは昨日出会ったからだろう？あとは、Aちゃんが「明日は皆んなで出掛けよう」って提案してくれたからね』


と話を振られたが何のことやらさっぱり。主人公！いつのまにそんなこと言ったのかよ！しらねぇーぞ！くっ、ゲーム特有のご都合設定ってやつか。


『それで、4人で早速なんの乗り物にいく？』


硝子ちゃんのその一声からそれぞれが行きたい所を言って順々と回っていった。楽しんでいる様子が画面に次々と映し出される。その皆んなの笑顔が去年まで中学生だった子供らしさがあって「オッフ」と口から漏れてしまった。ひたすら尊い以外の言葉が見つからない。

あーあ。画面越しじゃなくて私も実際にその中に行けたらもっと楽しいんだろうな…なんてね。


『…A、聞いてんの、A』

「あ、え？硝子ちゃんが呼んでる？』


画面には皆んなの笑顔からいつのまにかこちらに顔を寄せた硝子ちゃんの姿。そして、耳打ちをしてきて


『前、Aにするっていった手助け。任せておきな』


そう告げては『男子ども集まれ』とその場を仕切った。


『せっかくだからここから分かれて行動しない？男女二人に分かれて』

『あー、いいんじゃねぇーの？』

『私も賛成だね』


皆んなが硝子ちゃんの意見に頷く。この展開はまさか…


『じゃあ、とりあえず私は五条と組むわ。Aは夏油でいい？』


しょ…硝子ォォォ！！お前ってやつはァァァァ！！！！

手助けって推しとの二人だけの時間をくれるとまでは思ってもいなかった。そして、口パクで「頑張れよ」とこちらに告げては五条と共に行ってしまった。イケメン、惚れてもいいですか？


『…Aちゃん、友情に感動してるところ悪いんだけど、そろそろ行かないかい？』

「ハッ！夏油くん！」


そうだ、ここからは推しとの二人きりの時間だ。好感度を一気に上げる勝負どころだ。


『君と二人で組めたこと嬉しいよ。この時間で互いのことをいっぱい知ろうね』

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