19話・ヤンデレモード ページ19
『さっさと好感度というやつを上げて君を満足させて終わらせようと思ったんだ。それでこの術式から解放されると思ったからね』
なるほど、だから夏油くんの好感度を上げるのが簡単だったわけだ。今だって既に90%超え。きっと特級呪霊と戦う選択をした理由もあるけれど。
「ごめん。夏油くん。色々不快な思いさせたよね。けど、最後にこれだけは言わせてほしい」
だらしないパーカーのままで、髪もボサボサで、メイクも何もせずに、部屋に引きこもった奴にこんなこと言われるのは気持ち悪いかもしれない。だけど、本物の夏油くんに会えたんだ。これぐらいは許してほしい。
精一杯の笑顔を浮かべて、今までの中で1番の大声を出した。
「本当に心の底から夏油くんのこと大好きでしたッ!」
シーンと静まり返る部屋。夏油くんは表情を1ミリも変えない。気まずッ!やっぱ言わなきゃよかった!!!
ここはさっさと切り替えで誤魔化す一択。
「ってことでじゃあ、100%まで上げちゃって早く終わらせよ!えっと、ちなみにあとは何をすればいい?」
『…いいや。何もしなくていい』
「へ?何もしなくていい?」
『それより私の話の続き、聞いてくれるかい?』
夏油くんが画面を愛おしく撫でては私を見つめた。その視線は猛烈な熱を含んでいるようだった。
『このゲームをさっさと終わらせたかったよ。君の好意も最初は正直気持ち悪かった。心を弄ぶような人の選択することに対しても反吐が出た』
「…」
けどね、と胸に手を当てて。目を瞑っては俯いた。
『何故か君の好意がどことなく心地よくなっていった。私を選んでくれなかった時は心を掻きむしりたくなるほど嫉妬した。そして、さっき私の命を助けてくれたこと、その時にくれた言葉、とても…とっっても嬉しかったんだよ…ッ…!ハッ…アハ…アハハ…ッ…!』
突然の告白。嬉しくないわけがない。けど、様子が明らかにおかしい。たじろいでしまいたくなるほど嫌な空気が、彼の笑い声がテレビから発せられている。
「ッあ、いや、でも…それって術式の影響じゃない?早く100%にまで上げて終わらせないと」
夏油くんのためにもそれがベストだとリモコンを握りしめた。だけど、パッと上げた彼の表情に思わず落とした。
頬を紅潮させて瞳の中にはハートが浮かんでいた。そして、頭上の好感度。100%を遥かに超えて200%と馬鹿げた数字。
『大好き。A。君が大大大好きだ…ッ…!!!』
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Omiso(プロフ) - shiorichanさん» さすがですね〜(笑)相当のヤンデレ好きだということが伝わってきます!私もプレイヤーなら3を選んでいましたね!なのでお仲間です(笑)最後まで読んでいただきありがとうございました! (2022年2月28日 20時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - shiorichanさん» こちらでもコメントありがとうございます!はい!私が描きました!ヤンデレ最高ですよね🤤イラストを褒めていただくことはあまりないのでほっんとうに嬉しいです😆 (2022年2月28日 20時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
shiorichan(プロフ) - 最後のところ私だったら3を選んでバットエンドに突っ込みまス☆ヤンデレ大好物なので−❤ (2022年2月28日 20時) (レス) id: 36ddcc805a (このIDを非表示/違反報告)
shiorichan(プロフ) - 最後のイラストってOmisoさんが描いたんですか❓❗ヤンデレな夏油で目が離せない…😍😍 (2022年2月28日 20時) (レス) id: 36ddcc805a (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - 緑の白猫さん» うわん、緑の白猫様!コメントありがとうございます!このお話を書く上で全て意識したことを褒めて下さって本当に嬉しく思います!この嬉しい気持ちを上手く文に表せず歯痒いです(泣)五条の落ち込む表現は力を入れました(笑)本当にありがとうございました! (2022年2月7日 0時) (レス) @page11 id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Omiso | 作成日時:2021年12月29日 10時