殺り損ねた『お前』にリベンジを【東卍】

15話・気色悪く取り繕った笑顔 ページ15

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「で…お前一体どういうつもりだよ。三途」


彼女を部屋に入れて突っ立っている三途に問いかける。

Aの顔を見てからの変わりよう。敬語を使う相手なんてマイキーぐらいだったくせに。気色悪い笑顔まで取り繕ってまで…ほんと何考えてんだ。


「…」


しかし三途はずっとAが入った部屋の方を見たまま。気味が悪い。おい と声をかけるとグルリと俺の方を見ては


「A…っていうんだな」


不意にそう聞かれ「あぁ、そうだ」と答えるとマスクを外しては、みるみる頬を紅潮させてニタニタと笑顔を浮かべる。


「九井ぃ、Aのこと他の奴にバレたくないだろ」


急に彼女を名前呼びしたのに引っかかるが、変に突っ込むと面倒になるに違いない。


「できるならお前にもバレたくなかった」

「だろうなァ？けど、すぎたことは仕方がねぇーだろ？」


肩に腕を回してきては上機嫌に俺の顔を覗き込む。こんなにハイなのは薬をやってる時しかないのに珍しい。それが余計に不安を掻き立てる。


「まぁー、他の奴には黙っといてやるよ」

「本当か！「そのかわりオレの質問に答えろ」


すかさずグッと首を絞められる感覚に脅すような口調


「テメェとAの関係を教えろ。どこでどう出会ったのかも全部な。あとは、そうだな…」

「ッ…まだあんのかよ」

「もちろんだろ。これを一番頭に叩き込んでおけ。Aにオレのことをあんま変な風に吹き込むな。"今"は嫌われたくねぇーからなァ」


そこまでしてAにこだわる理由が全く分からない。もしかすると…


「お前、Aと会ったことあんのか」


そう聞けばいい質問だと言わんばかりにニィと笑みを浮かべて


「そうかもなぁ？まあ、あっちは気付いてねぇーだろうが。いつか分かってくれるといいな。けど、このことはAに言うなよ？オレが分からせてやりたいからな。サプラーイズ！って感じでな。最高だろ？」


ゲラゲラと笑う姿に異様さを感じつつ、Aと出会った経緯を話せば真剣に聞く様子。

マイキーを除く他人のことなんて微塵も興味がないコイツが人の話に耳を傾けることなんてなかったのに。

ある程度話し終えるとそれはそれは満足げな表情。


「なんでそこまでしてAの事が知りたいんだよ」


そう聞けば、少し目を見開いてはクシャリと無邪気な笑顔で


「何も知らなかったAのこと今度はなんでも知っておきてぇーなと思ってなァ！仲良くしたいだけだ」

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