14話 ページ14
貴方サイド
授業も終わり、早速自分の部屋へ帰ろうと教科書を鞄に突っ込んでいる最中だった。
バンッ!!!勢いよく教室の扉が開く音がしてそちらに顔を向ければ意外な人物。
「よぉ、ちょっとつきあってくんない?」
目をかっぴらいては、長い足でこちらに歩みを進めて私の机に手を置く五条先輩。
あ、これは地獄へ付き合えということですね。
「いやで「は?お前に拒否権ないから」
ヒョイと首の襟元を掴まれてズルズルひきづられていく体。
ちょ、首絞まってるし!てか私何かしたかな?!もしかしてあの喧嘩を止めようとしたことに怒ってるの?え、理不尽。
訳もわからず何処かへ連れて行かれることと先輩の私の扱いに嘆いていると、突然ピタリと五条先輩が足を止め、締まっていた首元がやっと解放された。
「ン゛んん、ガハッ!ん…よし。喉の調子が戻ったところで五条先輩、私に何か用ですか」
と五条先輩の方を見れば私に目もくれずに自動販売機でジュースを買っている。
え、まさかこれだけのために連れてこられたの?連れションならぬ連れ自動販売機的な?
いや、ネーミングセンスなさすぎて草。何ならそのままだし と脳内で自分に突っ込んでいると鼻先に冷たい感覚が走る。
「うわぁっち!!!…て、え、何ですか?」
「いや、まずお前の反応に俺が質問してぇーわ…見れば分かるだろ、飲みもん。早く受けとれよ」
グイグイと鼻が潰れそうなほどに押し付けてくるので受け取り、見てみるとこれまた美味しそうなリンゴジュース。しかも私がよく好んで飲むやつだ。
え、普通に嬉しんだけど。もしかしてこれ私にくれる感じなのか?あの五条先輩が?
いやいや!ないな。五条先輩が私にジュースを奢るなんておかしいだろ。あの人の心を持っているか危うい五条先輩がだ。
きっとこれから先輩が飲むから持たされているのね。要は私は何だ、五条先輩のジュース持つためにここまで連れてこられたわけだ。
どんなパシリだよ、畜生が。
「なにボサッとしてんだよ、それのまねぇーの?」
「あ、はい!飲みます…て…え?これ私の飲み物ですか?」
「それ以外ねぇーだろ…さっさと飲んだら?」
ほら と促す五条先輩に思わず目を見開いた。
目の前のこの人は誰だ。
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Omiso(プロフ) - てんぎつね。さん» コメントありがとうございます。そう言われて実際自分でやってみたんですけど想像以上に痛いですね(笑) (2021年7月28日 23時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
てんぎつね。 - いや親指は反り返したら痛い (2021年7月28日 23時) (レス) id: 04fcd4138c (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - るりさん» るり様、コメントありがとうございます!貴方様のお言葉に嬉しさで胸がいっぱいです!そして、貴方様の作品を読ませて頂いております。今後の更新楽しみにしています!応援ありがとうございます!貴方様にも私からのエールを。 (2021年6月5日 14時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - 最高な作品をありがとうございます。ほんとにその場にいるような臨場感や、細かく描かれる表現方法であっというまに読んでしまいました。これからも作品楽しみにしています! (2021年6月5日 11時) (レス) id: 82fe86bccf (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - 緑の白猫さん» コメントありがとうございます!読者様がゾクゾクするようなホラー×ヤンデレを感じて頂けていたらと思います!夏油の術式を上手く活かせることを目的にしていたので貴方様の褒め言葉本当に嬉しく思います!最後まで読んで下さりありがとうございました! (2021年4月5日 14時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Omiso | 作成日時:2020年12月17日 19時