8話 ページ8
ギロッと睨まれ肩を竦める。流石に空気読まなすぎた。すいません。
いやでもさぁ?二人とも喧嘩をおっ始めようとする雰囲気なの。これ巻き込まれたら確実死ぬ。
「あ゛ー、うっざ。お前のために言ってやってんのに。この雑魚に構うだけ時間無駄にしてんぞ」
普通に悪口で傷つくわ。五条先輩そこまで私のこと嫌いなの?の割には毎日構ってくるし一体何なんだ…
「ハハッ、いらない忠告ありがとう。Aに構うか構わないかは私が決めることで勝手に口出しして欲しくないな」
ごもっともだけど何故私に頑なに構おうとするんだ。それを教えてくれ。
埒が明かない言い合いにお腹が空腹で限界を達そうとしていた。あ、これ盛大に音が鳴るやつだ と思った瞬間胃が縮む感覚。
キュルギュルギュルルルル!!!
その音にピタリと先輩たちの言い争いが止まった。
「ブフゥ!!!」
しばらくの沈黙が続いたかと思えば五条先輩の吹き出す音。
「おまッ空気読めなさすぎだろ!どうやったらそんな音でんだよ!?食い意地半端ねぇーな、おい…!」
さっきの走りといい、お腹を鳴らしたぐらいでそこまで笑われるなんて逆に光栄だよ、もう。
まぁ、夏油先輩はきっと「悟、そんなことで笑うなんて女心が分かってない。謝れ」キリッ的な感じで私の味方をしてくれるはずだよね。
期待を胸に笑顔で夏油先輩の方を見るが片手を顔を当てて肩が小刻みに震えている。え、
「…夏油先輩?」
試しに呼んでみると顔を覆ってる手の隙間からチラリと瞳がこちらを覗くがすぐにそっぽを向いてブフッと吹き出す音が聞こえる。
察し。ここには私の味方はおらんということですね。
たく、乙女のお腹の音でここまで笑うとは…うん。結構傷付いたあげくクソ恥ずかしい。
そこはせめて気づかないフリして欲しかったよ!いや、それは無理があるか…
どちらにしろこんな奴らとはいられん。サヨナラだ、サヨナラ。
フンッ!と両手を広げてホールドされていた夏油先輩の腕をはらい、先輩の片手にあった弁当箱を奪う。
あ?と笑うのを止めてこちらをみる五条先輩とビクッと肩を揺らす夏油先輩に
「そこで一生二人仲良く笑っていればいいじゃないですか。私全然気にしてませんからァァァ!!!」
ワッと溢れ出す涙を拭ってその場から駆け出す。
「ハッ。相変わらずおせーぞ、雑魚ー」
語尾に(笑)がつく勢いでからかう五条先輩の声。うっせーよ、ほっとけ!!と心の中で叫びながら校舎の中へと駆け込んだ。
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Omiso(プロフ) - てんぎつね。さん» コメントありがとうございます。そう言われて実際自分でやってみたんですけど想像以上に痛いですね(笑) (2021年7月28日 23時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
てんぎつね。 - いや親指は反り返したら痛い (2021年7月28日 23時) (レス) id: 04fcd4138c (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - るりさん» るり様、コメントありがとうございます!貴方様のお言葉に嬉しさで胸がいっぱいです!そして、貴方様の作品を読ませて頂いております。今後の更新楽しみにしています!応援ありがとうございます!貴方様にも私からのエールを。 (2021年6月5日 14時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - 最高な作品をありがとうございます。ほんとにその場にいるような臨場感や、細かく描かれる表現方法であっというまに読んでしまいました。これからも作品楽しみにしています! (2021年6月5日 11時) (レス) id: 82fe86bccf (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - 緑の白猫さん» コメントありがとうございます!読者様がゾクゾクするようなホラー×ヤンデレを感じて頂けていたらと思います!夏油の術式を上手く活かせることを目的にしていたので貴方様の褒め言葉本当に嬉しく思います!最後まで読んで下さりありがとうございました! (2021年4月5日 14時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Omiso | 作成日時:2020年12月17日 19時