【WT】花天月地【Smile】 (ページ8)

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side Smile

やっと入学式が終わり、下校となった。
今日は部休で、明日から部活が開始する。1週間くらいは新入生の部活見学や、体験入部などがあるらしい。
・・・吹部って意外と見学しにくる人多いんだよな
その割には入部する人は少ない気がするが。

sh｢笑琉〜帰ろうぜ｣

翔希が俺の肩を叩き、声をかける。

sm｢良いけど・・・｣

蔓日さんの机の上に、花のピンがある事に俺は気づく。蔓日さんの席にあるのだから、彼女のものである事は安易に想像が出来た。

俺も落し物などは放っておくなどの悪趣味は無いので、彼女へ届けに行こうと思った。

運良くすれ違えばいいが・・・もし彼女が気づかず家に帰っていたらもうどうしようもない。
ピンを探しに校舎の方へ戻ってくる事を願うばかりだな。

sm｢あ、先帰ってろ。俺用事があるから｣

sh｢分かった。じゃあな｣

そして翔希は教室から出ていく。
一応俺も校舎の外に出てみるか。もしかしたら蔓日さんが居るかもしれないからな。

下駄箱で靴を履き替えようと思った瞬間、誰かが校舎へ入ろうとしていた。

・・・あれ、蔓日さんか？
一回話しかけるか。

sm｢あの・・・蔓日さんで合ってますか｣

『そうですが！私急いでるのでこれで・・・』

校舎の中に入ろうとする蔓日さんを急いで引き止める。

sm｢待って下さい。これ、蔓日さんのですかね？机の上にありましたけど｣

そう伝え、彼女へピンを持っている手を差し出す。

『そうです！わざわざありがとうございます。お礼はどうしましょう・・・』

お礼なんていらないんだが・・・
でも、お礼・・・とは言い難いが、彼女と敬語無しで話してみたいと思った。
そんな俺の勝手なお願いを蔓日さんは受けてくれか分からないが、一か八かに賭けてみる事にするか。

sm｢お願いに近いかもしれませんが、蔓日さんが良ければ敬語無しで話しませんか？
同じクラス且つ隣の席なので話す機会は多いと思いますが｣

俺がそう言うと、彼女は潔く受けてくれた。

まだ俺とAの間には壁が隔てられているが、初対面の時と比べると壁は薄くなった気がする。

Aと別れ、俺も帰路へ着く。
バス通なので、停留所でバスを待っていると、急にポケットの中の携帯が揺れ出した。
画面を見ると、琉唯から電話がかかって来ていた。

なんなんだよ、とか思いながら電話に出る。

--------ｷﾘﾄﾘ線--------

キリがいいので電話シーンは次で