【WT】花天月地【Smile】 (ページ27)

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#26 ページ27

rn｢ごめ〜ん！A！｣

『遅い』

rn｢だからごめんって〜そんなにカリカリしないの〜｣

誰のせいで私はこうなっているのか凛は一切考えていないんだろうな。
すると、凛が笑琉に耳打ちしているのが見えた。
一体何を話しているのか気になるが、耳打ちする程なのであれば私に聞かれたくない内容だと思ったので、あまり干渉はしない事にした。

唯、凛と笑琉が知り合いだった事に少しびっくりしたので、これは聞いても大丈夫だろうと考え、凛に聞く。

『ねぇ凛』

rn｢どした？｣

『凛と笑琉って知り合いだったの？』

rn｢ん〜どうなの？｣

sm｢俺に聞くな｣

rn｢まぁそうなんじゃない？｣

『なんでそんな曖昧なの』

私がそう言うと、凛がこっそり｢嫉妬かぁ〜？｣なんて言ってきたので、彼女の耳元でデカい声で『前歯全部折るぞ』って言ってやった。
凛は耳を塞いで、｢鼓膜が・・・｣なんて言ってたけど知らない。

rn｢笑琉〜Aが脅してくる・・・｣

sm｢凛がAに何言ったのか知らんが恐らくお前が悪い｣

でも正直、笑琉が凛と仲がいいというのはあまり気に食わない。
・・・嫌だ

『・・・私疲れたから早く帰りたい』

この状況から逃げるように、私は咄嗟に早く帰る口実を作る。

sm｢まだ火曜日なのにそんな疲れるか？｣

rn｢せめて金曜日とかにそれ言うでしょ。
でも今週の金曜日部活無いからゆっくりできるじゃん｣

『凛のお陰で疲れた』

rn｢なんで毎回私のせいなの・・・｣

『それに買い出し早く行かないとスーパー閉まっちゃうし』

sm｢スーパー閉まるの10時とかだから大丈夫だろ｣

『・・・いいから早く帰りたいの！
2人ともさっさと歩いて』

rn｢そんなに早く帰りたいんだったら帰ったらいいじゃん。私もう家近いから、じゃあね｣

そして凛は私たちとは別の道へと消えていく。

せっかく仲直りしたのに・・・まただ。
帰ったら連絡しよ。

私の隣を歩く彼に好意を抱いたせいで、
私の親友と彼が仲良く話していて彼女に嫉妬心を抱いたせいで。

結局は全て私のせいで。

好きな人が隣にいるというのに、今だけは彼が嫌いで。
彼にこんな感情を抱いた私が一番、大っ嫌いで。
また凛との関係が悪化して、原因は私なのに、今だけは彼女が嫌いで。

結局は全て嫌いで。何もかも嫌で。

自宅に着くまで、着いても彼とは一切会話しなかった。

笑琉は、“今だけは”嫌いな人だ。

凛も、“今だけは”嫌いな人だ。

こんな自分が、大っ嫌いだ。