M side ページ8
「おいおい、王様は傷つけちゃだめじゃないか〜怒られるだろ〜？」
…俺の角度からは、見えたんだ。
小さな背中に深く突き刺さった大きな牙が。
真っ白なコートがじわじわと赤くなっていくのが。
「翔…怪我、ない……？」
翔さんの肩に手を置いて立っている体を支える脚は、がくがく震えていた。
「俺は大丈夫っ…でも智がっ……」
「ん…俺は、大丈夫だから……」
「…やっぱり作戦変更。おい、死なない程度に痛めつけちゃっていいよ、王様のこと」
何が気に入らないのか、つまらなそうな言い方で獣に指図する悪魔。
おい、待てよ…。
リーダーを痛めつけるって…？
どう見たって、立つのもやっとなのに…。
死なない程度に…？それ以上やると絶対死んじゃうじゃん…。
「はぁ、、逃げて……危ない…」
「りぃだぁ！俺たちの心配してる場合じゃないよ！！」
そうだよリーダー…。
そんな体で「危ないから逃げろ」なんて言ってもさ…俺たちが逃げると思う…？
ちょっとは自分の心配してよ…。
「ほぉら、やっちゃえ！」
また恐ろしい声を上げてリーダーに襲いかかっていく。
「んぅっ、、あぁっ…！」
細い肩に牙が食い込み、そのままリーダーの体は簡単に持ち上げられた。
俺たちから離れた所に放り投げられる。
横たわった体はもう、立ち上がることさえ出来ないらしい。
「りぃだぁ！！」
「は、、はぁ…ぐっ、ぅ…」
それでも一生懸命膝をついて立ち上がろうとするリーダーに、今度は長い爪を立てる獣。
智「あぁっ！あぁぁあ！！」
何度も何度も何度も。
激しく切り裂かれる。
赤が広がる。
「痛い？痛いでしょ〜？はははっ」
畜生…。
何も出来ないのか…？
俺たちには、何にも出来ることはないのか…？
こんなに守ってもらってるのに…。
助けることは、出来ないのか…？
「あぅっ……ぁ、ぁ……」
リーダーの声が消えていく。
死んじゃう…死んじゃう…死んじゃう…。
何で…。何も出来ないんだよ…。
恐怖で動けない自分の情けなさに憤った。
拳をぎゅっと握った。
だけど、そんな俺の目を覚ましてくれた人がいたんだ。
獣の大きな顔に、見覚えのあるジャンパーがぶつかるのが見えた。
「大野さんから離れろよ！！」
獣の光る目が、ニノを捉えた。
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ほっぺ大福(プロフ) - 美唯さん» 今年もよろしくお願いします(*^^*)もうすぐ移行となりますが、良かったら読んでやって下さい！ (2016年1月2日 17時) (
レス) id: 3fb09271d5 (このIDを非表示/違反報告)
美唯 - あけましておめでとうございます(笑)また続き楽しみにしてますね(笑) (2016年1月1日 8時) (レス) id: 14862b15c0 (このIDを非表示/違反報告)
ほっぺ大福(プロフ) - 羅瑠亜さん» ありがとうございます(*^^*) 一応受験生なもので…(-_-;)更新遅くなるかも知れませんが、これからもよろしくお願いします！！ (2015年12月12日 22時) (レス) id: 3fb09271d5 (このIDを非表示/違反報告)
羅瑠亜(プロフ) - 一気に読んでしまいました。とても面白かったです。勉学に小説に...とお疲れ様です＾＾応援しています。 (2015年12月12日 12時) (レス) id: 56711be44c (このIDを非表示/違反報告)
美唯 - 智くん大丈夫かな…？｡続き楽しみにしてますね(笑) (2015年12月9日 16時) (レス) id: 14862b15c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほっぺ大福 | 作成日時：2015年12月4日 15時
