愛をこめて花を君に【高尾和成】

７輪目:キンセンカ ページ9

A(……！高尾君からだ)
あれから数週間経ち、制服も夏服への移行期間となった。Aはあの日以来高尾とよくメールまでする仲になった。

高尾『今日、またそっち行くな♪』
A(……今日も来てくれるんだ)

高尾はバイト先の花屋によく訪れるようになった。そして決まっては、花を必ず一輪買っていくようになる。大体はAのオススメだが
A(東京から神奈川って遠いのに……なんだか申し訳ないな……)
今度は自分から行くのもありだろうと考えながら歩いていると

黄瀬「Aちゃん？」
A「うっひゃぁ！？！」

背後から声をかけたのは黄瀬。
画面に夢中で気づいていなかった。
黄瀬「なんスか今の声w」
A「びっ、びっくりして……」
黄瀬はその様子をみて笑う。

しかし、Aのスマホをみて一瞬だけ冷ややかな目をした。
だがすぐにいつもの笑顔に戻る。
黄瀬「あぁ、また高尾君ッスかー？」
A「うん。来てくれるみたいだけど、今日はシフト遅いから、部活に出てから行くね」
黄瀬「そうッスか。たまには俺ともメールして欲しいッス！！！」
そういうと黄瀬は後ろからAを覆うように抱きつく。黄瀬らしい爽やかな香りがして思わず胸が高鳴る。
A「んー……気が向いたらね」
黄瀬「ひどっ！？」
A「ていうか、黄瀬君とそんなに仲良くなったら、親衛隊の人達に目つけられるんだけど……」
黄瀬「あぁその心配はご無用ッスよ。俺がキツく言っといたんで！」
A「そっ、そう？」

後ろから抱きついたまま廊下を歩く黄瀬
途中、その様子をいけ好かない女子達がひそひそと話をしているが。

黄瀬「…………」
黄瀬の冷ややかな視線に思わず押し黙った

それに気づいていないのは、ただ一人……

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７輪目:キンセンカ

花言葉:寂しさに耐える

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