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ナオミ「というか……愛想つかれちゃったんじゃないんですか?」
モモタロス「うっ…!?」
モモタロス「ナオミ…お前…今日すごくキツくないか…?」
容赦なく言いまくるナオミに
流石のモモタロスもタジタジ。
イマジン「懐かしいよなぁ…これがお前の望みだ」
その頃沢田さんの家にいるイマジンが差し出したのは高校の入学式の写真。
なんとしてでも契約完了させる気だ。
イマジン「しっかり見ろ!!」
沢田さんが写真をじっと見つめたその時
良太郎「沢田さん!」
A「由香!!」
良太郎とAが駆けつけた。
イマジン「契約完了!」
A「飛んだ…!」
良太郎「沢田さん、しっかりして!」
呆然としている沢田さんを揺さぶる良太郎
沢田「野上くん…?それに…Aまで…今のって…」
A「”イマジン”っていう怪物なの」
良太郎「沢田さんの記憶をたどって過去に飛んだんだ。」
状況がわかっていない
沢田さんに良太郎とAが優しく説明した。
沢田「記憶…?」
Aはハナから預かっていたチケットを取りだしかざす。
現れた日付は
2004 04.07
A「2004年…4月7日って…」
日付を見たAは
良太郎と沢田さんの顔を交互に見た。
Aもこの日付に覚えがあるようだ。
良太郎「高校の……入学式…」
そう、この日付は
良太郎、A、沢田さんが高校に入学した日。
沢田「私…言葉が壁になって…向こうのクラスメイトたちと馴染めなくて…こっちの高校が懐かしくてたまらなくて」
沢田「だから…」
向こうの学校で上手くいかず
こっちに通っていた頃が懐かしくなって
帰ってきて
それでイマジンに過去の思い出に浸りたい
と願ったのだ。
良太郎「わかるよ…僕も…卒業する前に高校をやめたから」
俯く沢田さんに
良太郎がかけた言葉は
自分も高校を中退しやめてしまったから
懐かしく思う気持ちがわかると。
A(良太郎……やっぱり…)
Aはわかっていた。
良太郎が心のどこかであの頃のことを少しは後悔しているのではないかと。
それと同時に自分だけ高校に残ることを選択してしまったことを、ずっと申し訳なく思っていた。
Aの頭にはずっと、今でも残っている
制服を着て、同じ自転車に乗って
笑いながら帰った遠い日の…記憶。
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作者名:ちあ | 作成日時:2019年11月26日 23時