Episode 21 ページ22
灰崎side
灰「よお。何してんだよそんな所で」
柄にもなく話しかけた。普段は女をモノにする為の言葉を
…なんとなくだ
A「あら、灰崎くん。奇遇ね」
灰「にしても屋上とか久し振りに来たな俺」
A「ふふ、風が心地良くて私は好き」
灰「それよりも…見るもんもねぇし男に告白する訳じゃあな
いんだろ?そこに居たって時間の無駄だろーが」
・・・なんて事ない普通の会話だ
その筈なのにどこかぎこちなくてむず痒い
A「時間の無駄…か」
するといつの間にか奴は俺の前ににこやかに立っていた
ん、待て。奴とは何だ。俺はコイツを“コイツ”と思っ
ていたのに、どうしてわざわざ区別したんだ??
A「確かにそれもそうね。帰るわ」
灰「帰るって…何処に」
A「そんなの…決まっているでしょう?」
や…コイツは他の女より遥かに顔立ちが整っている。本来の
俺ならころっと惚れる笑顔の筈なのに
_誰よりも不気味
だと言ったら??まぁ…誰も信じてくれないだろうな
────
──
Aside
A「あれ、私なんでこんな所にいるんだろ」
放心状態だったのかいつの間にか図書室で本を読んでいた
A「“博士と少年”か。これまた謎い本を手に取ったな」
それにしてもこの学校の図書室はやけに静かだ。放課後
は皆部活で誰も利用しないからかな
A「ふふ、独り占めも悪くないね」
目つきの悪いモナ・リザに見守られながら改めて頁を読み進
める。本を読んでいると集中状態に入ってか時間の感覚が
なくなってふわってするでしょ?それが結構好きなんだよね
A「我ながら読書スピード上がったな…笑」
もう少し文字の世界に浸っていたかったが、ありったけの
本が詰め込まれキツキツになった本棚に丁寧にそれを差し
込んで別れを告げる。
_ガラッ
「こんな所にいたのか…神田Aちゃん今すぐこっちに
来てくれないか?」
A「え、あぁ…はい。すぐそちらに行きます」
「ありがとう。緊急事態なもんでね」
A「緊急事態?一体何があったんですか??」
_どうしてそんな大変な事態に私を呼ぶのかわからない。
そもそも私はどこへ連れていかれるのだろうか
「赤司副キャプテンが…倒れたんだ」
A「…征くん!?」
先輩に連れられただただ走った
何が何だかわからないままただただ走り続けた
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作者名:栞乃 | 作成日時:2019年2月17日 23時