ド偏見は捨てようか ページ35
「立花、この情報は誰にも流すなよ。」
そんな上杉の忠告に、アーヤは少しムカついていた。
「私はお喋りじゃないよ。
それにAには注意しないの?」
こてん、と首を傾げるアーヤ。
うぐっ…なんて可愛いんだっ…!
って、思ってんだけど私の事に関してなんだよな。
上杉は少し顔を歪めて答えた。
「コイツはお喋りする前に忘れてんだ、
興味のないこと全部。
でも立花はそうじゃない。
それに、お喋りじゃない女子なんて居ないと思うぜ。」
その上杉の言葉で黒木はプッと吹き出していた。
…紳士的って、取り消させてもらうね。
ふーんっ。
毎度の事ながらさぁ。
上杉、マジでド偏見酷いよ。
いや、私の説明は完璧だけど。
100点満点だけどね。
だって若武の恋とか知ったこっちゃないし、
他の人に喋る義理もないし。
“普通の女のコ”って括りで私達を入れないで欲しいよ。
普通じゃないし、アーヤも私も。
そもそも普通って?
むむっと真剣に悩んでいる中、若武と小塚が入って来た。
そして入ってくるや否や、
若武がかなり気取って教卓に手を付き、皆を見渡した。
「わが親愛なる探偵事務所の諸君っ。」
親愛してんのね、私達を。
嘘だ……こき使うクセに。
どの口が言えることかよ。
17人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:イチゴミルクティ。 | 作成日時:2021年3月16日 20時