嫌なものは嫌だけど… ページ31
「……探偵チームKZだ!」
百点満点なドヤ顔をキメ、周りを見る若武。
「若武、それ俺達のサッカーチームの名前だろ。」
そんな若武に黒木は冷静に告げた。
ん?サッカーチームKZ?
聞いた事ないな。
「何それ。KZって何。
サッカーチームなわけ?」
比較的、真面目な質問をした筈だが
皆は眉間にシワを寄せる。
「はぁ、こーゆーの聞くと、
俺らは全然だよなって痛感させられる。」
上杉が肩を落としながら無力そうに嘆く。
「俺らの事知らない奴、初めて見た。」
穴が空くほど、まじまじと顔を見つめられた。
やめいっ!見つめるんでないっ!
「困った
だ・れ・が?
惨めになるだけだからやめて。
アーヤが姫なんだから、変なこと言わないで。
…照れるじゃんか!!
そしてさり気なく頭撫でてくるし!
いや、嬉しいけれども!!!
「KZを知らない子なんているんだ……」
と、感動している様子の真のお姫様。
えっ、常識なの?!
私が非常識なだけなの?!
「偏差値70以上の男子だけを集めた、
エリートサッカーチームなんだ。
んで、俺らはソコに入っている。
なかなか強いんだぜ?」
あっそ。あんまり興味無い。
ふいっと顔を背けると、若武が焦った。
「ちょっ!待てよ!
今マネージャー募集してんの!
仕事やんない奴らばっかだから
Aとアーヤ入ってくれぇぇ……」
「だから興味無いってんでしょっ!」
「私は勉強時間を確保しないとだから……」
そんな私を見て、黒木はニヤついた。
「アーヤはしょうがないね。
でも、マネージャーになったらビュッフェ券の特典付くんだよ。
どうする、Aちゃん?」
「え、マジで。やろっかな。」
現金なヤツなんですよ。へっ。
自分を納得させている間、
黒木と上杉はヒソヒソと何かを話し込んでいた。
「おい黒木、嘘ついてどーすんだ。」
「もちろん、俺が用意するさ。
Aが入ってくれるなら痛手じゃないね。」
黒木がバチンと音がなりそうなウィンクを上杉にしていた。
何がどーなったらウィンクをする状況になるんだ。
…まぁ、楽しかったな!
これからどんな事件に遭遇するのかね。
楽しみっ。
───消えた自転車は知っている───
とな。
この出来事が全ての始まりだったんだ。
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作者名:イチゴミルクティ。 | 作成日時:2021年3月16日 20時