他者紹介って前代未聞 ページ20
無言で引き戸をガラガラと開け、
家に入る。
ふわっと香るココアの匂い……
美味しそ……
皆ぬくぬくしてたよ。
羨ましくて彩ちゃんをバックハグした。
関係ない？
んなの知らなーい。
手を洗い、居間へ。
｢あい、もう誤魔化しません。
｢さ、さらけ出すとは何だ……
人聞きの悪い…｣
カラ松兄さんが最もなことを言う。
｢……愚兄を……｣
正直に応えると兄さん達の12の目が
コチラをキッと睨んだ。
けれども何も言わないでくれた。
あー、優しいなっ(棒)
｢はいー！自己PRして欲しい人〜！！｣
テンションが可笑しいのは元からだ。
｢自己PRって自分で自分を紹介するから
自己PRって言うんじゃないの？｣
機嫌の悪いチョロ松兄さんが言った。
｢細かい事はどーでもいいんだよっ！｣
埒が明かない…おそ松兄さんからね。
…勝手に決めたが、いいだろう。
発言をしない兄さん達が悪い。
そして、ホワイトボードの前に立ち、
伊達メガネをかけて演説を始める。
｢はい。
この赤色のパーカーを着た、アホ毛2本！
この六つ子の中で一番
脳がお粗末な兄さんことおそ松兄さんです！！
いつもヘラヘラしてる長男ね。
とてつもなくバカ。奇跡のバカ。
多分…絶対、彩ちゃんに絡むと思うから要注意人物だよ？彩ちゃ……ぶっ…｣
最後まで言えなかったのはおそ松兄さんのせい。
無言で口を抑えられた。
本当の事言ったまでだよ！？
何が不満なんだよ。
その時に
(Aちゃんの性格はこの兄弟から来てるんだ…)と、思慮深く(？)考えていたらしい。
取り敢えずヘルプっ！
何とかしてすり抜けた。
私をなめんなよ…ふっ…
いかん、カラ松兄さんが
｢はいっ！次！
この青色のパーカーを着た、アホ毛2本！
眉毛が太くてキリリとしてるね！
ナルシストで頭カラッぽな兄さんこと
カラ松兄さんです！
意味不明な事を常時言っていたら
サイコパス次男兄さんです。
…馬鹿だからソシオパスかも。
身の危険を感じたらすぐに半径1.5m以上離れてください。
アバラが折れます。←｣
判断基準を悩んでいるとドコからか
ソシオパスだよ、との声が。
そうだよねっ！
カラ松兄さんが半泣きになっていたのは内緒。
ごめん…
…
なんて、思えないんだ…ふはっ笑
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作者名：イチゴミルクティ。 | 作成日時：2021年3月16日 20時
