パシりは好きじゃない ページ14
三谷C組っ…
上杉と小塚はもう来ていた。
急いで来たのに……
喉が乾いたので彩ちゃんが来る前に
カフェラテを買ってこようと席を立つ。
自販機に向かおうとしたところ、
若武から俺の分も買ってこいと言われた。
自分で買えと思ったが、
ある条件を提案した。
ふっ。
お釣りを貰えるならと告げたの。
でもピッタリの分を渡されてさ。
…実質、パシられたも同然。
カフェラテの値段を確認しておきゃ良かった。
なんて思い、若武を睨みながら
チビチビとカフェラテを飲んでいた。
すると、急いだ彩ちゃんがやって来た。
あっ…
彩ちゃんの分も買っておけばよかった。
ムムっ。
溜め息をついたら小塚に苦笑いされた。
ねぇ、なんか勘違いしてない？！
若武に騙されてドンマイって思ってるでしょ絶対っ！！
わちゃわちゃしたところ、黒木が本題に移った。
｢じゃあ、結果を報告するよ。｣
ふむふむ、何の？
｢立花のお兄さんと、Aのお兄さんに協力して貰って、電話に盗聴器を取り付けた。｣
｢ふぁっっ！？｣｢えぇっ？！｣
彩ちゃんと私の声が重なった。
おぉ、遂に兄さんは犯罪者予備軍じゃなくて犯罪者になったのか？！
｢それ、法律的にアウトじゃね。｣
｢ん、見つかったら完璧アウトだ。｣
若武が解説をしてくれた。
法律に詳しいんだ…？
なのに詐欺師やってるって、ねぇ？
でも黒木は少し肩を竦めながら、
なんでもないと言ったふうにしている。
｢バレなきゃ犯罪じゃないだろ。｣
いや、バレたら犯罪だからね？！
といいますか、バレたら犯罪って分かってるんだよね！？
大丈夫？！
｢まぁ、そんなのはどうでも良いさ。
良く聞けよ。｣
どうでも良くないっ！
騒ぐ私達を適当にあしらい、
黒木はボイスレコーダーを再生した。
〈おい、次あそこのコンビニ狙うんだろ。〉
〈ああ、前回は自転車のお陰でひでぇ目にあったからな。
やっと車の修理が終わったところだ。〉
〈次はしっかり逃げ道確保しとけよな。〉
〈同じヘマはしねぇって。〉
…は？
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作者名：イチゴミルクティ。 | 作成日時：2021年3月16日 20時
