無意識番犬 / ピアース ページ13
ピアース部下ヒロイン←ピアース(+ルシファー)
気に入らない。
というよりも、何とも言い表し難い
不快感が勝つ。
「それでどうなったんです?」
「ここからが面白いとこなんだけど、
その後犯人が僕に向かって
発砲してきたんだ」
「うそ!」
「ほんとさ、でもギリギリのところで…」
近過ぎる。
何でそんなに顔を近づける必要があるんだ。
そんな隙だらけでどうする。A、お前はそれでも刑事か。
言ってやりたい文句が口から出てくることなくピアースの心の中で積もっていく。
署内を歩いていて、たまたま視界に入った光景に心臓がぎゅっと痛くなるのを感じた。
会議室でルシファーと親しく話しているのは
紛れもないピアースの直近の部下、A。
職権を多いに濫用して前の署から
このLAPDに引っ張ってきたのだ。
実際のところわざわざ違う課に配属させたので魔の手は迫るまいと安心しきっていた。
それがいつの間にこんなに仲良くなっていたのかと2人の関係性に驚きを隠せなかった。
ルシファーが大袈裟に身振り手振りをつけて事件の話をしているのをコロコロと表情を変えて聞き入っている。
それだけでも十分嫌悪感を覚えたが、
それ以上に気になる事がある。
2人の距離が異常に近いこと。
どうやらルシファーが
どんどん寄って行っているにも関わらず
それをそのままAが
許容しているせいのようだ。
くすくす、と無邪気に
無垢な笑顔を見せる彼女に
ひどく腹が立つ。
残念ながらピアースは
その感情を嫉妬と認めて
上手く対処する術を知らない。
ああ、駄目だ。
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作者名:若松 | 作成日時:2021年9月28日 14時