▫️めんどくさい感情 ページ4
*
一日中寝て終えた学校生活が終わりを迎える鐘の音が室内に響いた。
やっと帰れる…と欠伸をしながら帰り支度をしていると、元気な声と共に背後から腕を回され、少し首元が窮屈になる。
「凪!帰ろうぜ!」
「…レオ」
隣を見れば生き生きとした顔。
レオが俺の元に来るなんて理由は一択しかない。
「なあ、俺と一緒にサッカーやろうぜ!」
「めんどくさい」
「即答かよ。お前と俺が組めばW杯優勝も夢じゃないんだぜ?」
ーーその話、今日だけで10回くらい聞いたよね。
相も変わらず口説かれ続けながら廊下を歩いていると、一人の女子がレオに駆け寄ってくる。
「玲王くん今帰り?良かったら一緒に帰らない?」
「あー悪い!俺こいつと帰るから!」
じゃあな!と一言添えて女子の隣を通り過ぎる。
その間際、チラッと横目に見てみるとなんか怖い顔をしてた。
走り去っていくその背中を見つめながらレオに問いかけてみる。
「…ねえ、レオ」
「なんだ?」
「なんであの人怖い顔してたの?」
「あー、まあ俺と帰れなかったからじゃね?」
人はなんで泣いたり、笑ったり、怒ったり。
めんどくさいことをしてるんだろう。
俺にはよくわからない。考えるのもめんどくさい。
「お前はなんも考えなくていい。俺に付いてくればいいんだよ」
「まだ言ってる…」
「当たり前だろ!俺は欲しいと思ったモノはなんでも手に入れる主義なの!だからなんとしてでも俺は夢を叶えて、あいつをーー」
…あいつ?
固い決意の見える握り拳とレオの真剣な表情。
何の話だろう、と寝起きの冴えない頭でぐるぐると考えを巡らせる。
あいつ、あいつ……
途中めんどくさくなって考えることを放棄しようと思い立ったところで、ふと思い浮かんだ「あいつ」の存在。
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宇治(プロフ) - いのりさん» いのりさん、ご無沙汰しております♪お優しいお心遣い感謝です(泣)励みになります…まさかこんなにスランプに陥ると思っていませんでした…。凪くん楽しく執筆させていただきますね!ありがとうございます♪ (2023年2月17日 13時) (レス) id: 7205c6bdcb (このIDを非表示/違反報告)
いのり(プロフ) - 宇治さん!こんにちは!スランプって大変ですよね…。ゆっくり宇治さんのペースで大丈夫ですよ!応援してます♡ (2023年2月17日 7時) (レス) @page26 id: 61b0845b42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宇治 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/uji/
作成日時:2023年1月28日 17時