【美風藍】私が出会ったアイドルは天使ではありませんでした。

無 ページ46

ある日。
期末テストも終わり、しばらく来れなかったラボにいつも通り訪れた。玄関を通りベットのある部屋まで向かうと。




いない_____。



いつもそこに寝ているはずの彼の姿はなかった。
慌てて周りを見ても誰もいない。

博士はいないこともたまにあるが、あまりに静かすぎる。




おかしい。





もしかして直らなかった……？




いや、ただちょっと歩いているだけなのかもしれない。
頭の中はぐちゃぐちゃで。大したことはない、と言い聞かせてみるも、まったく落ち着かなかった。




本当なら待っている方がいい。
でも。気づいたら私はその部屋を飛び出していた。きっとどこかにいるはず。考えるよりも先に行動。

それが私だ。



ラボを出て辺りを見渡す。あいつの行く場所なんてまったくわからない。飛び出しててきたものの手がかりなんてないに等しい。




ふぅ…


ため息と共に小さな諦めの気持ちが顔を出した。だめだ。



諦めない。



そう思った時だった。何か聞こえる。歌だ。澄んでいて綺麗で。まるで天使のような歌声。

これは…！

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