【美風藍】私が出会ったアイドルは天使ではありませんでした。

海 ページ40

曲作りが難航する美風藍のために私たちは気晴らしに出かけることにした。

確かにあの一件のあとに出かけるのは危険だが、変装もしてるし少しの間だ。



大丈夫。


…多分。




訪れたのは私たちが最初に出会った海。
綺麗な海を眺めていればなにかヒントになるんじゃないか、そう考えたのだ。



｢うーん、やっぱりいい眺め！！｣
｢そうだね。嫌いじゃない｣


ふわりと香る潮の匂い。太陽に反射してキラキラ輝くマリンブルー。
時期外れの海には誰もおらず、自分たちだけのモノのような気さえする。




しばらくその情景を眺めていると、いきなり立ち上がった。


｢もういいの？｣

｢うん、よくわからないんだけど…なんだか書けそうな気がする｣



美風藍にしてははっきりしない言い方だった。
でもなにかヒントになったなら、と私も立ち上がった。




｢じゃあ帰ろっ…あ、待ってお手洗い行ってくる！！｣


私は付近のお店に走っていった。

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