【美風藍】私が出会ったアイドルは天使ではありませんでした。

日常 ページ38

肌寒くなってきた頃。
あれからラボに通う日々を送っている。


そもそも美風藍自体もそんなにラボに行くことはなかったらしいが、時間があれば来るようになったみたいだ。


……別に、自惚れではないけど、ね。



やっぱりちょっと嬉しいもので。
胸の膨らむような心地良さを感じている。今日も授業が終わるとすぐにラボへ向かった。


｢こんにちはー！｣
｢…うるさい。本当に無駄に明るいよね｣
｢なんか言った？｣



私がラボへ入ると、机の上のPCをいじりながら椅子をこちらへ向けたアイツと目が合う。


何をしているのか問いかけると、作曲中だったようだ。曲は今撮影している映画の主題歌。

クリスマスを舞台にしたラブストーリーだ。


｢…今回は作詞作曲をし欲しいって言われたんだけど｣


こちらをまったく見ず自嘲気味に笑いながらそう言った。



確かにラブソングを作るというのは簡単なことではないだろう。
だからこそ先に曲を作っているのみたいだし。

作詞→←感情がない

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