買われた 10 ページ13
『…ふふ、マカロン上手に焼けた…！』
ふわりと部屋に充満する甘い香り、オーブンの中で輝く色とりどりの色彩。
私は仕事から帰り、ご飯も作り終えたので暇つぶしにマカロンを作っていた。
多めに作ったのは、もちろん泉さんの分。
なぜ作ったのか、それは…
『泉さんでもこれは食べれまい…』
ちょっとした悪戯である。
私の首筋にキスマーク等という忌々しいものを付け、羞恥に晒した罪は重い。
だから、その仕返しとして軽い悪戯を用意したのだ。
あのモデルで神経質な泉さんなら、嫌がるだろうけど昨日のことを突きつければ嫌々食べるはず…。
そして…
『ふくふくとおデブになればいい』
割とこの時怒ってたと、後日の私は振り返るのだろうな。と遠い目をした。
パティシエの私も舌を巻くほどの甘いマカロン。1口サイズより少し大きめで食べやすくしている。
泉さんの帰りを待ちながら、私は甘さ控えめのマカロンを頬張るのだった。
ピンポーン
『…？はーい』
時間が経ち、そろそろ夕日が傾き始めた頃。
チャイムのなる音がして、疑問を抱きながらも玄関へ向かう。元貧乏な人だからカメラで見るなんて考えがないのだ。
ろくに確認もせずにドアを開けると、そこに泉さん……と。
『な、Knightsのみんな…！？』
そこには昔、青春を謳歌し一緒に居続けた仲間が大人になって立っていた。
目をパチクリとする私に、泉さんは不機嫌な様子で頬を膨らませている。
「お〜！本当にAだ！久しぶりだな！」
まず出たのは、Knightsを率いる玉座の王、月永レオ君が嬉しそうに腕に纏わりついた。背も若干大きくなり、大人びているが人懐っこい面影は変わらない。
「久しぶり〜…A。りっちゃんに会えて嬉しい？」
次は、凛月くん。
相変わらず眠たげで猫のようだけれど、赤い瞳をが貫き通す。あえて嬉しい、と返すと秀麗な顔のパーツが弧を書いた。
「あらあら、とっても綺麗になったのね…。本当に素敵だわ」
ほう…と頬に手を添えて、私を見つめるのはなるちゃん。
なるちゃんはみんなとは違い、綺麗に美しくなっている。躯体にも男らしさが現れるが、それを覆すほどの美貌が目に毒だ。
「…お姉様！お会いできて光栄です！」
最後に末っ子的存在の司くんの頭をなでなでしながら、近くで鬼神を背負っている泉さんを見た。
『……皆さん何かしました？』
続く (更新停止中)
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紅茶 - めっちゃ良いです！こんな小説まってましたっ！是非続きが読みたいです、これからも頑張ってくださいヾ(*･ω･*)ﾉ (2019年10月13日 20時) (
レス) id: dc12212b23 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - こんな神作品初めて見ました!!ヤバイくらいに面白いので、これからも更新頑張ってください!!!!! (2019年9月27日 11時) (レス) id: aed030ecf9 (このIDを非表示/違反報告)
黒。 - ななさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しい限りです！ご期待に添えられるように頑張ります！ (2019年9月13日 20時) (レス) id: d8cf0890ba (このIDを非表示/違反報告)
黒。 - お菓子なこいしさん» ありがとうございます！更新頑張りますね！ (2019年9月13日 20時) (レス) id: d8cf0890ba (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 神っすね！ヤバイですよこの作品！更新楽しみにしています！ (2019年9月10日 0時) (レス) id: cda48c16bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒。 | 作成日時：2019年8月24日 18時
