プロローグ 【〇〇〇〇と吸血鬼】 ページ1
*
＿それは、月が満月に輝く深い夜の日だ。
『はぁ、はぁｯ………た、助けて、誰か…!!!』
視界に広がる、暗黒の世界。
私は必死に地を走り抜ける。走る。走る。
息はもうキレそうだ。でも、後ろから奴が…来る。
ｹﾀｹﾀｹﾀｹﾀ…。
途中、何度耳障りな音が私の思考を狂わせたか。それは狂う思考で知りえるものでは無い。
どれぐらい走っただろうか…。
元々運動が趣味ではない私には、体力の限界値を超えていた。
『…あっ！』
足元が混乱の中絡みあい、私は意図も簡単に倒れ込む。
心臓がバクバクと跳ね上がり、『逃げなきゃ』と脳内が危険信号を全身に送るが、疲れてた身体はそう簡単に動いてくれるものでは無い。
……すると、この機会を見逃すはずがない『怪物』が一気に間合いを詰めてきた。
「…捕まえタ。血、ヨコセェェェェエ!!!」
『いやぁぁぁぁああああああ!!!!』
…最後に見た月夜は、とても綺麗な紅蓮の色だった。
＿＿ってのは完全に真っ赤な嘘で。
実際の状況を確認してみると。
暗闇の世界。これは嘘ではない。
ふとした瞬間に起き、夜歩きたくなるのが私にはある。どうも夜の世界が大好きだから。
今まで何も起きずに帰宅をしていたが、今回は違った。
＿そう、人間の血を吸い不死身と呼ばれる吸血鬼がいたのだ。
「……ぅ〜………。お腹、…すいたｯ……………血…ほしい……」
路地裏で倒れながらだけど。
私はそれ見て目を点にすると、少しの硬直の後吸血鬼の元へ歩き出す。迷うこと無く。
それに気づいたのか、吸血鬼も私と同じく目を見開いた。
「……にん、げん………？」
『はい、人間ですよ』
喉に砂が散ったような乾いた声を出す吸血鬼。顔も青白く、肩が薄く上下しているが、正気を保つのに必死といった感じだ。
「…どっかいって、…目障り」
『……血、欲しいんでしょう』
「は？」
『私で良ければあげますよ？』
そう微笑を零すと、吸血鬼は私を強く見た後、呟く。
「そういう親切心とかいい。ほっといて」
『……あぁ。そういうことですか。安心してください』
『私、"ジ. サツ"志願者なので』
＿ゼンブ、いくらでも、吸い尽くしてもらっていいですよ？
＿TITLE＿
【ジ .サ ﾂ志願者と吸血鬼】
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黒。 - 凛花さん» コメントありがとうございます！前作品もご覧頂いているんですね！とても嬉しいです！ご期待に添えられるように頑張ります！ (2019年9月9日 19時) (
レス) id: d8cf0890ba (このIDを非表示/違反報告)
黒。 - お菓子なこいしさん» コメントありがとうございます！ヤンデレ作品、と言うのは「金で買われた女」でしょうか…？見てもらえて嬉しいです！ (2019年9月9日 19時) (レス) id: d8cf0890ba (このIDを非表示/違反報告)
凛花(プロフ) - 初リプ失礼します。全作品読んでいます。度の小説も大好きです！頑張ってください！ (2019年9月8日 17時) (レス) id: 0de30280bf (このIDを非表示/違反報告)
お菓子なこいし(プロフ) - 初リプ失礼です好きです(*¨*)、やんでれ小説からみせてもらってます、本当に好きです！！！！！ (2019年9月8日 16時) (レス) id: b8c13d01bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒。 | 作成日時：2019年9月8日 11時
