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24話 〜過去〜価値があるもの ページ26

入院してから12日もたち、私はもうすっかり元気になった。
朝日奈先生とは、あの出来事があってから仲良くなった。
今日も、私に付きっきりで側にいてくれる。
(誰かがずっと側にいてくれるとこんなにも安心するんだなぁ……)
「ねぇ!朝日奈先生。一つお願いがあるんですけど…」
朝日奈先生は、少し顔を傾けて”うーん?何かな?”と言った。
「私のことをさん付けで呼ぶのやめてください!先生ともっと親しくなりたいの。」
私が突拍子もないことを言うので、先生はあたふたしていた。
「え?あの…その…AさんはAさんで…いきなり呼び方変えるのは…」
先生は、困った顔をしながら頑なにさん付けをやめるのを拒むが、私がどうしても呼んでほしいと頼み込んだら”わかった。”と了解してくれた。
「……Aちゃん…。これくらいで勘弁してほしいな…。」
少し照れた顔で言われたので私もつられて照れてしまった。
「Aちゃんか…。うん!なんだかもっと仲良く慣れた気がする。あのね…朝日奈先生。私も呼び方変えていいかな?」
朝日奈先生は、少し微笑んで”もちろんいいよ”と言ってくれた。
「まさ…雅臣先生。…やっぱり少し恥ずかしい…。でも、呼び方を変えただけだけど、なんだか親しくなれた感じだね…。」
「そうだね…。あっ、もうこんな時間だ。また、来るねAちゃん。」
そう言って先生は、部屋から出て行った。
「本当に、楽しいな。毎日が…。」


楽しい時間は、あっという間に過ぎ、ついに別れの時が来た。
「雅臣先生…本当にありがとうございました。先生とたくさん話せて楽しかったです。楽しい思い出をありがとうございました。」
泣きそうな声で言う私に雅臣先生は
「僕も本当に楽しいかった。君が無事に退院できてよかったよ。Aちゃんが初めての担当の子でよかった。」
と言って抱きしめてくれた。
私はすぐに先生から離れて、別れの挨拶をした。
「先生本当にありがとう!また、先生と会う日までさようなら。あ、今度は入院とかじゃなくて普通に会いたいね!……バイバイ。」
こうして私たちは、別れた。
本当に先生と過ごした日々は、どんな宝石より価値があるものだった。
出会った瞬間は、お互い緊張してあんまり話せなかったね。
でも、先生のあの”言葉”のおかげで私たちは仲良くなったね。
好きなもの…家族のこと…行ってみたいところ…何気ない話たくさんしたね。
あの時は、何気なかったけど、今は…
「楽しかった…先生の思い出…」

25話 たくさんの気持ち→←23話 〜過去〜気づいた瞬間



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めろんぷぁん(プロフ) - すみません。この書き方でないと内容が収まらないのです(._.)でも、アドバイスありがとうございます! (2015年4月24日 23時) (レス) id: 90a387a605 (このIDを非表示/違反報告)
軋眼(Kishime)(プロフ) - 内容自体はとっても面白いのですが、字が詰め詰めで、少し読みにくいと言うか窮屈に感じました。 急な長文失礼しました。 (2015年4月24日 21時) (レス) id: 39be025a4e (このIDを非表示/違反報告)
めろんぷぁん(プロフ) - 指摘ありがとうございます!すぐに訂正いたしますね。 (2015年4月21日 2時) (レス) id: 90a387a605 (このIDを非表示/違反報告)
小春(プロフ) - 16話 沖じゃなくて陸じゃないのですか (2015年4月20日 23時) (レス) id: ec74150d74 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぷぁん(プロフ) - すみません。8話に誤字があったので直しました。 (2015年4月14日 19時) (レス) id: 90a387a605 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めろんぷぁん | 作成日時:2015年4月6日 0時

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