な組の若頭【stxxx】

. ページ23

.




侵入は簡単だった。

適当な社員証を作ればすぐに中に入れた。


こんなの、アマチュア組織でも入れちゃうよ。
セキュリティガバガバ過ぎない？w




中は無駄に豪華な仕様。

シャンデリアが幾つもあり、
中は広々とものすごく明るい。

シャンパンやワイングラスを片手に
小話をしている社員たち。

えっと、どこかの貴族のパーティーですか？





「A、あの人がターゲットや。」

『あー…いかにもチャラいね。』

「ころんやん」

『帰ったら言うかんな。』





小声で話してるため、
私たちの会話は一切聞こえない。

そしてターゲットに接近する女が
どうやら不倫相手らしい。





「かわええやん」

『ハニトラしてきてよ。
こっちもこっちで頑張るからさ。』

「はぁ…しゃあないな。」




頭を掻きながら面倒くさそうに
不倫相手に近づくジェルくん。

頬を赤くしている不倫相手は
まぁまぁ、目移りの激しいこと。


さて、私も動くとするか。






『きゃっ…！』

「おや、大丈夫かい？」

『すみません…お怪我はありませんか？』

「いや、君は大丈夫かい？」

『あ、大丈夫です！えっと、田中部長…ですよね？』

「そうだが……」

『良かったらあちらでお話しませんか？
実はその……田中部長のこと気になってまして…///』

「お、おう。あっちに行こうか。えっと…」

『経理部の高橋です』

「そ、そうか。では行こう。」





うわ、きもいなぁ。

ちょっと猫なで声で話しただけで
鼻の下伸ばしちゃってるし。

なーくんにバレたら、おじさん殺られちゃうよ？



まぁ、殺るのは私なんだけどさ。





ジェルくんの方は大丈夫かな…？





.

.→←【5】面倒なご依頼 .

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す