貴方はどちらを選びますか【黄】

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「お客さーん、着きましたよー」




男の人の声で意識が戻る。

あれ、ここどこだ…？



え？タクシー？

まって、僕さっきまでAちゃんと居酒屋に居たよね？

え？まって、状況掴めない……





「1570円ねー」

「あ、はい…えっと、すみません、ありがとうございます」






わけわからなすぎて
思考回路がショート寸前だが、

とりあえず、タクシー料金を払っては
荷物片手にタクシーから降りた。


着いたのは普通に家の前。


僕、酔ってもちゃんと住所言えるんだね…
我ながら凄いや……




家に戻って速攻Aちゃんに
メッセージを送った。





るぅとAちゃん!ごめん、僕相当酔っちゃったみたいで…迷惑かけてごめんね…


Aん?大丈夫だよー、酔いは?さめたの?


るぅとまだ少しフラフラするけど、大丈夫だよー


A今日はゆっくり休んでね、おやすみ






ゆっくり休んでね、なんて
めちゃめちゃ恋人同士みたい。


そんな感じのことを考えてると
無意識に綻んでしまう自分が情けない。




本当はもっともっと、
お話して、隣で作業する横顔を見てたいのに。

まぁそんなことは、
そう簡単に行かないって分かってるから。







「んん……Aちゃん…僕の想い気づいてよぉ…













絶対さとみさんに勝ってやるんだからぁ…」





僕はそのまま、
また、眠りについた。




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