貴方はどちらを選びますか【黄】

☆ 3 ページ10

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僕は今、目の前の光景に
少し拗ねている。




『あ、莉犬くん。ドレッシングがお口についてるよ？』

「え？ほんとー？取って取って〜」

『もう、仕方ないなぁ……』





僕は一体、何を見せられているんだ……






**






事の発端は、僕とさとみさんの言い合いに
Aちゃんを巻き込んでしまった。

そのお詫びとしてはあれだが、ご飯に誘った。



Aちゃんの"お酒飲まない？"の発言には
多少は疑問を抱いたが、まぁそれはいいとして。

快く承諾してくれた彼女に
僕の胸は大きく高鳴った。



なんてったって、好きな子とご飯に行けるなんて
最高じゃないですか？

勇気出して誘ったの良かったぁ…





のに、





「あれあれー？るぅとくんじゃん！」

「え？莉犬？珍しいね、こんな所で会うなんて」





同期の友達、企画部の"赤原 莉犬"に会った。

彼とは面接のときに仲良くなった。
大人のお姉さんが好きそうな可愛い犬系男子だ。


企画部の彼がなんで
営業部のオフィスにいるのかは知らないけど
彼と遭遇するのも珍しいものだ。






「あれ？Aちゃんじゃん！」

『莉犬くん、久しぶり〜！』






え？は？まってまって、
この二人って接点あったの？は？？

僕は恐る恐る莉犬に問いた。






「え、莉犬。Aちゃんと知り合いなの？」

「うん！前に駅のホームで定期落としてたから
届けたんだよね〜！」

『あの時は本当にありがとう！』






僕の知らない間に……

Aちゃん、なにおっちょこちょい発動してるの！


てか定期落とすって……



もう…





「Aちゃん、物落としすぎです…」






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