貴方はどちらを選びますか【黄】

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『ん？どしたの？』





こてんと首を傾げる彼女は
不思議そうに僕を見つめる。

腕を掴んだのはいいけど
僕、なんて話すか考えてなかった…


えっと、えっと……






「Aちゃん、今日、本当に楽しかったですか？」

『ん？え、うん！楽しかったよ？』

「僕と一緒にいて楽しかった…ですか？」

『うん！めちゃめちゃ楽しかった！』

「そっか、嬉しいです」

『んっと、どしたの？』





頑張れ、僕。

言っちゃえ…！！






「Aちゃん、好きです。

僕と、恋愛してみませんか？」






そう言うと、目の前の彼女は
ぶわわわわと顔を赤くした。

そんな姿も愛らしい。




別に返事は今欲しいわけじゃない。

きっと、もうひとりの忌々しいピンクも
アプローチしてるわけだろうから。


僕のこと、真剣に見てほしい。


そう思っていた。





「あの、Aちゃん。
今答えくれなんて言いません。

真剣に僕のことを考えてほしいです。」

『あ、うん…考えさせてね。』

「はい！いつでも僕、待ってますから！

じゃあ夜も冷えますし、
早めにお家に入りましょうね？

引き止めてごめんなさい」

『大丈夫だよ、ありがとう。おやすみなさい！』

「うん、おやすみなさい」






答えは

"考えさせてね"……か。





気持ち、伝えたことだし
明日からまた頑張ろう。



さとみさんには絶対に負けたくない。





さとみさんに勝とう。




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