貴方はどちらを選びますか【黄】

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「お兄さんっ…ありがとうございます！！」

「いいよいいよ、あとお兄さんなんて
堅苦しいから名前で呼んで」

「えっと…」

「あ、俺は有澤 ななもり。"なーくん"って呼んでね」

「あ、はい！なーくん！」




ニコッと微笑むなーくんの姿は
まるでもう神様のよう。

神様、いや、仏様か……？

なーくんが優しい人で良かったよ…





「るぅとくん！」

「はい！なんでしょう？」

「Aを泣かしたら、どうなるか分かるよね？」

「ﾋｭｯ……へ？」

「Aを泣かすようなことがあったら
ぜってぇ許さねぇかんな。
地獄まで追い回す勢いで君を軽蔑する。
Aを怪我させたりしたらもう人生詰むと思ってね。
俺の妹はそこら辺の女とは格が違うからな？」





前言撤回。

なーくんは神でも仏でもない。







シスコンだ。







『お兄ちゃん』

「ん？なぁに？A〜♪
何か欲しいの？言ってごらん？？」

『用は済んだよね？
出てって欲しいなぁ〜』

「ちょ、まって！A？
お兄ちゃんまだAといっしょにうわあああああ」





『お待たせ！お兄ちゃん帰らせたよ！』

「還らせてはないよね…？」

『ん？』

「なんでもない…」






Aちゃんを怒らせたら
ヤバいということを僕は今、悟った。





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