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▼ 切ない冬空 ページ19

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12月。


季節は冬になった。



Aちゃんが目覚めなくなってから
3ヶ月が経過した。



街はキラキラ光るイルミネーションばかりで
もうすぐクリスマスというのを物語っている。

相変わらずだけど、
僕は未だに莉犬とジェルくんとなーくんに
会うことが出来ていない。


なーくんとジェルくんからは
連絡がちょこちょこ来ているが莉犬からは一切来てない。



僕は今、病院の売店にいる。
ころちゃんがお腹空いたってうるさいから…

レジで会計を済ませて病室に戻ろうとすると
僕の名前を呼ぶ懐かしい声が後ろから聞こえてきた。




「るぅとくん!」

「……なーくん。」




なーくんだった。



なーくんとは3ヶ月振りに会った。

相変わらず細くて、ちゃんとご飯食べてるのかなって
心配になるくらい。



「るぅとくん、ちょっと話さない?」

「あ、うん」



僕はころちゃんに売店で買ってきたパンを渡して
近くの公園になーくんと向かった。


公園のベンチにもたれかかっては
自販機で買ったオレンジジュースを
ちびちびと飲んでみる。

しばらく沈黙が続いたが
先に沈黙を破いたのはなーくんだった。




「最近寒くなったね。」

「あ、そうだね、もう12月だもんね」

「さとみくんから色々聞いてるよ。
すぐに会いに来れなくてごめん。」

「……僕もごめんね、迷惑かけちゃって…」

「ううん、るぅちゃんは悪くないよ。
事故だってそう。不運な事故だったんだ、
自分を責める必要はないよ。」



淡々と俯きながら話すなーくん。

僕はそれに涙が溢れてしまった。




「俺ら、また笑い合えるよね。」

「…うん」

「また6人で…いや、Aちゃんも含めて7人でさ、
また楽しい話しようよ。」

「…そうだね。」




やっぱりなーくんは優しい。

いろいろ話して、なーくんと病室へ向かうと
なーくんを見て真顔になるころちゃんを宥めて
誤解を解いては、ころちゃんもなーくんも仲直りをした。


あとはジェルくんと莉犬と話さなきゃな…





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めあり(プロフ) - ぽてちさん» ぽてちさん!覚えてますよ〜!お名前覚えとくって言ったじゃないですか〜w 読んでいただいてありがとうございます!結構メンバー共に辛いお話なんですけど、そんなに泣いてくださるなんて……本当にありがとうございます(;▽;) (2020年12月28日 7時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)
ぽてち - ぅふぅ…(泣)号泣しました…(泣)涙どばどば鼻水ぐちゅぐちゅ((です…(泣)いいお話ありがとうございました…(泣) (2020年12月28日 0時) (レス) id: b2d3651b15 (このIDを非表示/違反報告)
ぽてち - めありさん» めありさんこんにちはっ!めありさんの色々なお話読ませていただいていたぽてちです!覚えてるかな…覚えてるわけないか(・ω・`)今読んでるとこはページ6〜7くらいです()病院で電話を控える注意書きあって笑いましたwめありさんの作品ほんと好きです! (2020年12月28日 0時) (レス) id: b2d3651b15 (このIDを非表示/違反報告)
めあり(プロフ) - すとぷり好きさん» ありがとうございます!天才小説家なんて恐れ多いです…!読んで頂いて嬉しいです♪ (2020年7月9日 18時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)
すとぷり好き - ちょっと!めっちゃいい話でめっちゃ泣いたんだけど!天才小説家なれる!!!! (2020年7月9日 17時) (レス) id: 315fcda94b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めあり | 作成日時:2020年6月24日 9時

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