前世で鬼殺隊の一隊士だった私は今世でも一生徒として過ごしたい

お誘い ページ9

｢うー……｣


今は昼休みである。


私は今とてもしょんぼりしている。

というのも朝、ゆうちゃんにこんな事を告げられた。


『お昼ご飯は委員会で仲良くなった子と食べることになった』

『だから一緒に食べられない。ごめんね』


ゆうちゃんが珍しく申し訳なさそうな顔をしてたものだから驚いた。

返事はもちろん嫌とは言えないため笑顔で了承した。


そんなこんなで今はぼっちである。

ちょっと、いや結構寂しい。

けど、うじうじしてられないし、せっかくだから今日は行ったことがない場所で食べてみよう。


席から立ち上がって、廊下に出た。

｢A！｣


……んん？？

後ろを振り返るとそこには満面の笑みを浮かべた竈門君がいた。

可愛い。何しても可愛いな竈門君。


｢どうしたの？｣

とりあえず用件を聞いてみる。

何だろう、ノート見せて欲しいとかかな。


｢お昼ご飯、一緒に食べないか？｣

｢え？｣

｢お昼ご飯を俺たちと一緒に食べ｣

｢あ、ごめん。ちゃんと理解してるよ｣


しまった、被せてしまった。申し訳ない。

というかお昼ご飯一緒に食べるって……俺たちって言ってたよね！？！？

複数人ですか！絶対我妻とか嘴平とかだろそれ！！


ぐあああああ！！！！！！

やめてくれ竈門君！期待のこもった目で見ないで！！


｢いいよー｣

またもや敗北してしまった。

仕方ない、可愛いは正義だからな。


私の言葉に竈門君はさらに目を輝かさせた。

｢じゃあ今から俺たちのクラスに行こう｣

そして私の手を引いて歩きだした。


｢髪切ったんだな｣

｢うん｣

突然そう言われた。

竈門君のコミュ力が高い。


｢眼鏡も……目悪いのか？｣

｢うん｣


……おい！なんか｢うん｣以外言えないのか！！

というか話すの得意じゃないんだよ、私は！！！

にこにこしながら話しかけてくれる竈門君に申し訳なさが募っていく。


｢そういえば竈門君。そのピアスってつけてていいの？｣

苦し紛れに質問してみる。

｢いや、駄目だ｣

即答された。


え？？？

駄目なのにつけてるのか？

校則破ってるの？？竈門君が？？？


｢けどこれは父親の形見だからつけてるんだ｣

竈門君は綺麗に笑った。

全然良くないのだが、本人があまりに吹っ切れていて、何だか私も小さく笑ってしまった。


気づくともう竈門君のクラスのドアの前だった。


｢え！？炭治郎が女の子と手つないでる！！｣

真っ先に聞き覚えのある声が飛んできた。

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