手を掴む ページ11
「そういえば何で手つなぐの?」
屋上で竈門君とお昼ご飯を食べている時、思い出して尋ねた。
私の質問に竈門君は目を数回瞬かせて、困ったように頬を掻いた。
「何でだろうなあ」
その返答にきょとんとしてしまった。
え、理由ないんですか??
「迷惑だったか?」
竈戸君は眉尻を下げながら首を傾げた。
ちょ、八の字眉するな!!!
「エ、イヤ、ソンナコトナイヨ」
「そうか」
そんなことないよ、しか言えないよねー!!
可愛い子の八の字眉は良心に突き刺さるんだよな。
「そろそろ教室に戻ろう」
「あ、うん」
竈門君が立ち上がった。
それを見て私も慌てて立ち上がる。
二人で横に並んで教室に帰った。
手はつながなかった。
▽
俺と善逸と伊之助、そして環さんで合同任務があった。
そこで上弦の鬼と戦い……倒す事に成功した。
けど全員ボロボロで、中でも環さんの怪我は酷かった。
一刻も早く環さんの治療をしなければと思っても、体が全く動かなかった。
「環さん……」
何とか首を動かして環さんの方を見た。
すると濃い灰色の煙が環さんを呑み込もうとしていた。
血の気が引いた。
「環さん!!」
立ち上がって、夢中で環さんの方へ走った。
体中が痛くて痛くてたまらない。
けどあの人を失う訳にはいかない。
後もう少しという所で、環さんは俺に手の平を向けて何かを言った。
『竈門君、もういいよ』
必死に手を伸ばした!
俺の手が環さんの手に触れようとした時、僅かに速く煙が先に呑み込んだ。
俺はその瞬間足がもつれて、つまづいた。
慌てて環さんがいた方を見ると、もう煙は消えていた。
涙が溢れ出てきた。
「っ……!!」
それから濃い煙を使う血鬼術を持つ鬼と出会い、倒した。
ただ環さんは二度と戻ってこなかった。
△
「また一緒に食べてくれるか?」
別れ際にそんな事を訊かれた。
「うん」
可愛い子は大歓迎だからね。
……まあ、一年に一度くらいの頻度だと助かるかな。
私がそう答えると竈戸君はにっと笑った。
「じゃあA、またな」
「またね」
私も小さく笑い返して、自分の教室に入った。
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彩羽_Iroha.(プロフ) - 雛子さん» そうだったのですね…!教えて頂きありがとうございます!これからも応援しています!良かったら仲良くさせていただけませんか…?m(*_ _)m (2019年11月5日 0時) (レス) id: 5b9a02ba17 (このIDを非表示/違反報告)
雛子(プロフ) - 彩羽_Iroha.さん» ありがとうございます!背景画像の水玉模様のことでしょうか??デザイン設定の背景画像で選んでます!これは2ページ目にあります〜 (2019年11月4日 18時) (レス) id: 3004313f3e (このIDを非表示/違反報告)
彩羽_Iroha.(プロフ) - こんにちは!はじめましてです。内容も最高でした、やっぱりキメツ学園いいなあ〜。ちなみになんですけど、背景のやつってどうやってますか、? (2019年11月1日 23時) (レス) id: 5b9a02ba17 (このIDを非表示/違反報告)
雛子(プロフ) - 鬼滅Loveさん» 笑ってくださって嬉しいです(照)頑張ります!! (2019年9月2日 23時) (レス) id: 3004313f3e (このIDを非表示/違反報告)
鬼滅Love - え?なんですか?最高すぎません?笑いすぎてお腹痛いです!続きが早く見たいです!頑張ってください。 (2019年9月1日 23時) (レス) id: 001f58aed0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雛子 | 作成日時:2019年8月7日 16時