第百三十訓 ↑ ページ32
Aside
「二人とも大丈夫?」
新八「…ダメですね。ほんとフラフラしてて歩けないです」
神楽「A〜…日ィ浴びすぎてクラクラするヨ…」
小太郎が去ってから、銀時共に二人の元に戻った。神楽ちゃんが銀時に「銀ちゃんおんぶ」と手を伸ばす。
銀時「何甘えてんだ腐れガキども。誰が一番疲れてっかわかってんのか?二日酔いのうえに身体中ボロボロ、傷口だって開いちまってんだぞ…こっちわ」
「まぁまぁ、二人はまだ子供なんだから」
銀時「Aはコイツらに甘ェだよ」
「甘くないよ。大人が子供に対する当たり前の態度でしょ?」
新八「そうですよ。Aさんはアンタと違って人間出来てるだけです」
神楽「そうアル!銀ちゃんの薄情者」
銀時「あー、付き合ってらんねェ。俺、先に帰るからな」
新八「Aさんが僕達みたいになってたら、二日酔いだろうとボロボロだろうとアンタどうせ放って置かないんでしょ!?」
神楽「態度変える男はモテないってマミーが言ってたヨ。だから銀ちゃんはモテないアル」
二人に背を向け去っていこうとした銀時だったか、浴びせられた言葉に立ち止まり私達に振り返る。「あのなァ…」と何か言いかけて、口を閉じた。その代わり大きなため息を吐き出し
銀時「ったくよ…しかたねぇーな。いいかお前ら、今回だけだからな」
銀時の言葉に神楽ちゃんと新八君は嬉しそうに彼に飛びついた。夕日に照らされる銀時が二人を落とさないようにしっかり抱えて歩き出す。その姿を見て、ちょっとだけ寂しいような、嬉しいような…不思議な感覚に胸が一杯になった。
(……よかったね、銀時)
私ね…銀時が今でも一人で居たら真選組を辞めて、銀時と一緒に居たと思うんだ。本当は人一倍寂しがり屋のキミが寂しく無いように、側にいたと思うの。
でも…その心配は無用だったみたい。
(──ねぇ、お父さん…見て?銀時に、家族ができたよ)
孤独に慣れた、あの頃の"小さな君"は、何処にも居ない。今の君はこんな素敵な子達に慕われて、大切な家族が居る。だからもう──…大丈夫なんだね。
(私も帰ろう…"中沢 A"の居場所に。私の帰る家へ)
立ち止まり、三人の背中を見つめる。
微笑ましい背中を見て、私は微かに目を細め笑った。
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第百三十一訓 男はカエルに触れて一人前みたいな訳のわからないルールがある→←第百二十九訓
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うさきよ - 面白いです‼ (9月1日 1時) (レス) @page42 id: 55ad19f9cc (このIDを非表示/違反報告)
kon(プロフ) - 砕けちゃいかんでしょう(笑)それから、本当に更新してくださりありがとうございます! もう一度最初から読ませていただいたのですが・・・やっぱりこの作品が大好きです! これからも頑張ってください (2022年8月24日 17時) (レス) id: e47e7d9c51 (このIDを非表示/違反報告)
迷い猫(プロフ) - konさん» kon様コメント有り難う御座います。幸せです。うぅー(泣)優しいお言葉ありがたい(´;Д;`)目から汗が…。沢山妄想はしてるのですが…なかなか文字に起こさなくなってしまって。書いて消してを繰り返してました。でも、これからは当たって砕けろで更新します!(笑) (2022年8月24日 1時) (レス) id: b045a615ae (このIDを非表示/違反報告)
kon(プロフ) - 一気読みさせていただきました! すっごく面白くて最高です!! 本当に毎日更新なんていいません、どうかお体に気をつけて更新頑張ってください! (2022年6月21日 16時) (レス) id: e47e7d9c51 (このIDを非表示/違反報告)
迷い猫(プロフ) - れいさん» おぉぉお!!コメントありがとございます😭そーなんです、ぼちぼち明かして行こうと思ってますッ!!応援よろしくお願いします🙇♀️ (2022年6月19日 0時) (レス) id: b045a615ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:迷い猫 | 作成日時:2022年5月17日 19時