はちこめ。 ページ8
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「とても美味しそうですね」
「んぐっ！？ お、お前、気付くの早ないか…！？」
呑気に食べているグルッペン様の前に立ってそう言うと、焦って食べていたケーキを喉に詰まらせるグルッペン様。ケーキと一緒に頼んでいたらしい珈琲を一気に飲み干し、はぁはぁと息整えていた。
このお店は城下町にあるケーキ屋さん。グルッペン様御用達のお店で、ご褒美や祝い事などがある時、よくここのを買いに来ている。
私も一度ここのケーキを食べた事があるが、ほっぺが落ちそうなくらい美味しかった。それまでの私が作ったケーキなんかと比べると、天と地の差。
プロはすごいなとつくづく思った。
「失礼ながらグルッペン様。一つ質問しても？」
「…なんだ」
「書類の整理はもうお済みになったんですか？」
「えぇと…、それはだな……」
「まさか仕事が嫌で城から出たなんて言いませんよね？」
「ゆ、許してクレメンス…」
これが八個目の悩み事。
仕事が嫌で城から抜け出すこと。一応、仮にも総統という立場なんだから、少しは危機感を持って欲しい。
「では、城に戻ってお仕事の続きをしてもらいます」
「……ハイ」
「あと、何度言っても改善がみられないので、トントン様に御報告いたします。覚悟をお決めになってくださいね」
「！？ アカンアカン、それだけはやめろ！！」
これまで何度も注意しているのに、改善しないグルッペン様が悪い。
珍しく顔を真っ青にしているグルッペン様を放置し、店主にホールケーキを一つ頼む。オスマン様が帰国したので、帰ってきたお祝い用だ。
残りのケーキを食べ終わったのか、グルッペン様はぶすっとした顔で私の頭上に顎を乗せる。子供か。
「…トントンに言わんでくれ」
「たとえ相手が自分より下の地位でも、それが人に物を頼む時の言い方ですか？ 」
「……トントンに言わないでください。お願いします」
「…いいでしょう。その代わり、これからお仕事をちゃんと済ませてから休憩なさってくださいね」
そう言うと、小さく「分かった」と返事が返ってきた。何だかんだ言って、素直に従うグルッペン様は可愛い。
はぁ、とため息をついてグルッペン様用の追加のケーキを頼んだ。
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御礼を申し上げるのが遅くなってすいません。
お気に入り、評価ありがとうございます。
これからも読んでくださると嬉しいです。よろしくお願いします。
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ライク - んおおおおおお!すききききききききききききききききききききききききき (2019年10月3日 23時) (
レス) id: c1d37a3d16 (このIDを非表示/違反報告)
なゆり(プロフ) - レンマさん» レンマさん、初めまして！ お気遣いありがとうございます…！ そう言って頂けて本当に嬉しいです。次回作は今、話を練ってる途中なのでもうしばらく待っててください、笑 今後ともよろしくお願いします！ (2019年9月18日 17時) (レス) id: fc164f5bf0 (このIDを非表示/違反報告)
レンマ - 次の話を楽しみにしながら読ませてもらいました！ 次回作も勿論とｯｯｯても楽しみに待ってますからね！！ 体調など崩さないようお気をつけて下さい、応援しています。 (2019年9月17日 22時) (レス) id: 582bb38728 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なゆり | 作成日時：2019年8月30日 21時
