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其ノ肆拾参 二人の鬼の鬼退治 ページ44

男の子は足を怪我しており、少し出血が酷い。
私は精霊の力を借りて、男の子の傷口を丁寧に治療する。
錆兎や真菰のように傷口から鬼の血は入っていないと思うが、慎重に治療しなければ、一歩間違えると取り返しのつかないことに成りかねない。

今更だけど、大抵の傷の治療は、この辺りに居る精霊達の力でも癒すことが出来る。
本当に精霊って凄いと思う。

そんなことを頭の隅で考えつつ治療をしていると、みるみる傷口が塞がってきていき、最終的に跡形も無く消えた。


「あの…息子は…」


「大丈夫ですよ。今は眠っているけど、じきに目が覚めますよ。けれど、悪鬼に襲われたことは覚えていないかもしれません。お母様は息子さんの側にいてあげてください」


「分かりました…!ありがとうございます、鬼狩り様…!」


私は親子に藤の匂い袋を持たせて家に隠れさせると、先程の悪鬼が居た場所へ戻った。
すると、丁度…


「「水の呼吸 壱ノ型 水面斬り!」」


二人が同時に悪鬼の頸を斬ったところだった。
斬られた悪鬼は呻き声を上げて消え去った。
二人の元へ駆け寄ると、二人とも傷だらけで、中々手強かったことが分かった。


「終わったか」


「伊黒さん」


不意に声をかけられて、その方を見ると、伊黒さんが屋根の上に立っていた。
私の側に降り立った伊黒さんは言った。


「森に鬼が居たから斬ったが、まさか村にもう一人いたとはな。…それに」


彼は其処で一度言葉を切って、一瞬錆兎と真菰の方に目を向けた。


「鬼が人間を守り抜いた挙句、鬼を斬るとは…正直驚いた」


そして溜め息を一つ吐いた後、彼はちょっと不服そうに言った。


「お館様の仰ったことを認めるしかないな。正直、まだ受け入れられないが。何せ、俺は鬼が大嫌いだ。だが、良いだろう。鬼を連れて鬼狩りをすれば良い。しかし、不死川が言った通り、もし俺達人間を裏切るような真似をすれば、お前も一緒に斬る。いいな?」


「はい!ありがとうございます!」


アニメでも、此処でも、彼は鬼が大嫌いだと言った。
それでも彼は、私が錆兎と真菰と共に鬼狩りすることを認めてくれた。
それが、とても嬉しかった。

其ノ肆拾肆 大嫌いな悪鬼→←其ノ肆拾弍 悪鬼が襲った村



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設定タグ:鬼滅の刃 , アニメぶっ壊れ , チート   
作品ジャンル:アニメ
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抹茶うさぎ@琥珀(プロフ) - あやめさん» 嬉しいです!1ヶ月近く更新出来ずにすみません…。早く新しい話を読んで頂けるように頑張ります!コメントありがとうございました! (2020年5月30日 22時) (レス) id: 00cd6a155e (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - とても面白かったです!これからもがんばってください!更新お願いします!!! (2020年5月30日 21時) (レス) id: 2cb5bf810d (このIDを非表示/違反報告)
抹茶うさぎ@琥珀(プロフ) - (=゚ω゚=)にゃあ@サブ垢さん» はじめまして!型の提案ありがとうございます!とても良いですね!是非採用させてください!説明もつけて頂きありがとうございます! (2020年4月15日 8時) (レス) id: 606e94aca2 (このIDを非表示/違反報告)
(=゚ω゚=)にゃあ@サブ垢(プロフ) - はじめまして。型のことですが、「巻雲・天波虹」けんうん、あまはにじ というのはどうでしょう?説明半円を描くように何回も切る。それは相手には遅く見えるが、実際はものすごい勢いで切りつけている…的な。 (2020年4月15日 2時) (レス) id: ed1bcccac4 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶うさぎ@琥珀(プロフ) - チョコさん» 了解です!返信ありがとうございます! (2020年3月13日 11時) (レス) id: 00cd6a155e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鷹麦 | 作成日時:2019年12月21日 19時

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