【鬼滅の刃】精霊遣いは鬼滅の刃の世界に来たけど、原作ぶっ壊れ過ぎて混沌だった！

其ノ参拾参　手拭いと仲の良い三姉妹 ページ34

それから暫く三人にしようと思い、一度そっと部屋から出た。
そして、応接間で二人にさっきの出来事を話すと、当然怒られたけれど、その空気は憤りよりも不安そうなものだった。
二人に暫くは無理をしないという約束をした。
…あ、そういえば。


「真菰、手拭い持ってない？」


「？持ってるよ。はい」


「ありがとう」


私は何故か二つ持っていた手拭と真菰の手拭を持って、水の上位精霊、水蓮を呼び出して、手拭いを冷やすようにお願いすると、得意げに冷やしてくれた。
百合さんに暫く精霊の力を借りないようにって言われたけれど、少しぐらい良いよね。

少し経って、三つの手拭いを持って部屋をノックし入ると、明るい穏やかな空気に包まれた。
(因みに、錆兎と真菰は来なかった。どうやら、あの空間には入りづらいらしい)
三人はそれぞれ微笑んでいて、目の周りはしのぶさんだけでなく、カナエさんもカナヲも少し赤かった。
三つ持って来て正解だったな。


「あの、冷やした手拭いを持って来たので、もし良ければどうぞ」


「ありがとう、Aちゃん。ふふっ、少しみっともない姿を見せてしまったわね」


手拭いを目に当てて、微笑んでいるカナエさんに、私も微笑む。
しのぶさんも自分の目に手拭いを当てながら、カナヲの目にも当てている。
あ、カナヲが冷た過ぎて驚いてる。


「いいえ。仲の良い素敵な姉妹だと改めて感じました。…体調は如何ですか？」


「もうすっかり元気よ。今までに無いくらい身体も心も軽いの！Aちゃんが治療してくれたんですってね。ありがとう！」


そう言って、にこにこ笑っている彼女は、本当に今まで以上に明るい雰囲気を纏っていた。
あの方法は確かに負担が大きかったけれど、して良かった。
本当に助かって良かった。
でも、やっぱりカナエさんが助かった本当の理由は、私と百合さんの治療じゃないと思う。


「どういたしまして。でも、私の治療はあくまで目を覚まさせる為の手助けです。カナエさんが助かった理由は、貴女方の姉妹愛なんですよ」

其ノ参拾肆　花柱を救った理由→←其ノ参拾弐　笑顔の三姉妹

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す