(青side)１年 ページ9
休みの日、待ちきれんくて朝からAの花屋へ足を運んだ。
10時前、着く頃には店も開いてるはず。
どうやって謝ろうか考えながら車を走らせた。
10時過ぎに到着して店の前まで来たけど、
"本日はお休みさせていただきます"
半開きのシャッターに貼り紙があった。
立ち尽くしてたら、
「お兄さん今日はお休みだよ。」
近所に住んでるんかして、婆さんがシルバーカー押しながら俺に話しかけてきた。
『何で？』
「もう１年経ったんだねぇ、、」
早いねぇ、って、俺の質問ガチ無視して通りすぎていった。
『いやいや、教えてや、、』
仕方なくシャッター潜って中に入ったら、相変わらずキレイに整頓された店内。
１階が店舗で、２、３階が居住区になってるみたい。
新築なんかして、建物自体がまだ汚れてなくて綺麗。
店の奥の２階へ続く階段の前に立って、
『Aー。』
、、、
呼んでみたけど反応なし。
でも、シャッターも開いてたからおるはず。
『上がるでー。』
少し大きめに声張って言うて、靴脱いで階段を上った。
てか俺、不法侵入なれへんよな？
２階に行ったら、こじんまりしてるけどキレイに掃除が行き届いてるキッチンとリビング。
、、の奥に和室があって、ふすまが少し開いてる。
『、、A？』
そっとふすまを開けて中を覗いたら、
「、、」
Aが背筋をピンと伸ばして正座してて、
向き合ってるのは、小さな仏壇。
に飾ってある、小さい男の子と、俺には劣るけど爽やかな男前の好青年の写真。
『、、誰？』
「夫と息子です。」
仏壇には、その写真２つと、その前にたくさんのお菓子とジュース、お酒と数品のおかずが置いてあって、、
何故か位牌がない。
『、、』
聞きたいことが山ほどあんのに言葉に出来んくて、、
「１年前の今日、事故で亡くなったんです。」
『、、その足ってそん時に？』
「私だけ生き残ってしまって、、」
私も連れていって欲しかった、って言ったと同時に、Aの目から涙が溢れた。
Aがポツリポツリと話し出した。
今日はこの二人の命日で、息子の５歳の誕生日。
１年前、本当はこの日にオープンするはずやったらしく、早朝に３人で花の仕入れに行く途中、
『居眠りしたトラックに衝突されたの。』
シートベルトしてた旦那と息子は即死。
唯一してなかったAは外に投げ出されて、
「右足がダメになっただけで命は助かったの。」
死にたかった、って言うAに何も言うてあげれんかった。
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まるなす - ひよりんさんの小説好きです。これからも楽しみに待ってますね。 (2019年9月21日 20時) (
レス) id: e561b9b5e6 (このIDを非表示/違反報告)
ひよりん(プロフ) - ベリー��Toppoさん» 応援ありがとうございます！頑張りますっ(￣▽￣)ゞ (2018年1月8日 23時) (レス) id: 6d3b1b35bd (このIDを非表示/違反報告)
ベリー��Toppo - こちらこそありがとうです!!実はこれにのめり込んだきっかけが追い恋で… 追い恋を読み始めて直ぐひよりんさんのファンになりました(笑)勝手なんですがこれからも応援しています！ (2018年1月6日 0時) (レス) id: 8865345ab4 (このIDを非表示/違反報告)
ひよりん(プロフ) - ベリー��Toppoさん» 全部読んでくれたんですか！？ありがとうございます(σ≧▽≦)σ頑張ります！！ (2018年1月5日 21時) (レス) id: 6d3b1b35bd (このIDを非表示/違反報告)
ベリー��Toppo - 一気に読んだんですが…めっちゃ泣きました！！今でも泣いてます(笑)あと、ひよりんさんの小説、全部読ませて戴いたんですが、全部いい話で、、全部泣きました。。。(苦笑)頑張ってください！ (2018年1月4日 23時) (レス) id: 8865345ab4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよりん
| 作成日時：2017年9月26日 23時
