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21話 ページ26

「…Aちゃん、大丈夫。1人で大丈夫」
『そっか、じゃあ俺はここで待ってる』

あんずの額にキスを1つ落とし頭を撫でた。
これは俺とあの人の二人だけのおまじないだ。

『頑張れ、あんず』

絶対にお前ならやり直せるから。
口には出さずに笑顔で保健室に入るあんずを見送る。

『…さて、待ってる間俺は…』

壁にもたれ端末を弄る。
開いたアプリは電話帳。
そしてさ行で指を止め目的の人物に電話をかける。

『もしもし』
[……意外っすねぇ〜、あんたからかけてくるなんて]
『プライドの塊のあの人からかけてくると思うか?』
[Aには甘いですからね、あの人。毎日電話帳開いてはため息ついて…って感じですよ〜]
『…そっか』

少なくとも彼は俺に電話をかけてこようとしている。
でも傷つくのが怖いからかけれない。
着拒されてたら?電話番号を変えていたら?
出ても拒絶されたら?って思いがあるんだろう。

『スケジュール、教えてもらってもいいか?』
[………へぇ〜?話す気になったんすか?]
『あぁ。俺もいつまでも逃げてられないからな』

電話の相手は少し間を開けると普通にスケジュールを教えてくれた。
思ったよりスケジュール空いてるな…。
あの人が自らこんなに空けているのか。

『明日の放課後でいいか?』
[んじゃ、俺はおひいさんをいつもの喫茶店に連れてけばいいすか?]
『いや、俺が玲明学園に行く』
[はいはい…ってはぁ!?やっぱあんたバカだろ!?]

玲明学園に出向くと言ったら電話の向こうでぎゃーぎゃー喚き始めた俺の元同級生で俺が育てたEveのメンバーである、漣ジュン。
うるさいから切ってもいいだろうか。

[ったくもぉ〜…わかりましたよ。案内人いります〜?]
『いらない』
「ですよねぇ〜。そんじゃ明日、楽しみに待ってますよ」

そう言って電話を切ったジュンは多分だけど明日の用意をしてくれてるはず。
制服はどうしようか、夢ノ咲ので行くか、玲明ので行くか。
浮かないのは玲明だがまぁ人として浮いてるから夢ノ咲でも大差ないか。
それに俺が俺の意志で夢ノ咲の制服を着ときたいんだ。


もう、戻ってこれないかもしれないから。


『やっぱり"私"はあの人をほっとけないよ…』


この時はいっぱいいっぱいでこれをすぐそこの曲がり角で聞かれていたなんて思いもしなかった。

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ろーずまりー(プロフ) - Knights を護る騎士でいたかったさん» ありがとうございます!画面がなかなか反応しないから気づきませんでした……! (2017年12月13日 22時) (レス) id: e56acca466 (このIDを非表示/違反報告)
Knights を護る騎士でいたかった(プロフ) - 青葉君の名前変換間違ってますよ〜!正しくは[つむぎ]です! (2017年12月13日 22時) (レス) id: 7e00625b4b (このIDを非表示/違反報告)
ろーずまりー(プロフ) - わしゃもさん» 逃げ切れるかは夏目くん次第かもしれない……! (2017年12月6日 21時) (レス) id: e56acca466 (このIDを非表示/違反報告)
ろーずまりー(プロフ) - 脳内パラレルワールドさん» 大丈夫、宙くんには夏目くんという強い味方がいる、はず… (2017年12月6日 21時) (レス) id: e56acca466 (このIDを非表示/違反報告)
ろーずまりー(プロフ) - p−−さん» わ〜ありがとうございます!頑張りますね〜! (2017年12月6日 21時) (レス) id: e56acca466 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ろーずまりー | 作成日時:2017年12月2日 1時

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