あれ、逆ハー狙ったんだけど思ったのと違う【あんスタ】 (ページ24)

今日:7 hit、昨日:6 hit、合計:174,506 hit

19話ページ24

『はぁ…』

思わずため息が出た。
心配そうにみかが俺を見つめてる。
宗先輩はまだ帰ってきていない。
俺は数分前の出来事を思い出す。
みかに手芸部部室に放りこまれ、そこには仁王立ちの宗先輩がいた。
あまり話したことはないのだけれど、優しい人って言うのはわかる。
そして宗先輩に事情を聞かれ包み隠さず話すとPCを貸してもらえたのだ。

『こんな結末誰が望んだんだっての…』
「Aちゃん……っ、俺な、あんずちゃんの事、許せると思う」

みかは唐突に声を張り上げ俺に近寄ったきた。
俺の両手を自分の両手で握り泣きそうになりながら。

「きっと、みんなも許してくれると思うねん」
『…みか…』
「だって、みんなな、あんずちゃんの気持ちが分かるはずやから」

ふわりと微笑んだみかは、犯人であったあんずの気持ちがわかるという理由で許せると話した。
それはみんな同じこと、と。

『…ほんとはな、俺が1番悪かったんだよ』
「え?」

あんずからの普通じゃない好意なんてとっくの前に気づいていた。
でも気づかないフリをしていた。
きっと恋愛っていう好意を向けられるのはまだ罪悪感があるから。
なんだかんだあって転校してきた俺だけど前の学校の事がある。
好きや愛してるって言われる度に別れてって言った時の彼の顔が脳裏に刻み込まれていてそれを思い出してしまう。
そう、俺は正確にはまだ彼と別れてきれてないんだ。
俺が一方的に別れを告げた、そして別れたくないと言いながら涙を目に溜めて怒った彼から何も言わずに逃げた。

『だから、俺が皆の好意に答えるのはまだ先になる。先に片付けなきゃいけないこと、あるからな』

PCを閉じてあんずの元へ向かう。
ごめんな、本当にごめん。
俺が答える最大の範囲で気持ちを伝えるよ、あんず。

『みかはここで宗先輩を待っていてくれないか?あんずの所は俺1人で行くから』
「う、うん…なんかあったらすぐ連絡してな!俺もお師さんもすぐ行くから…!」
『…おう、さんきゅーな』

お礼を言うと扉を閉めて俺は歩き出す。

▲▼

なんだこれ…ほんまにあんスタか…
別作品になりよるやろ…
大丈夫です、ちゃんともうすぐ元に戻るはず←