【ハリポタ】胡蝶の夢を見る7 (ページ9)

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「でも…本当にそんな力が…？」

ハリーはまだ信じられないようだった。
当然の反応だろう…

「去年、賢者の石を隠していた場所…あそこにクィレル先生が向かうのも見た。だから私はあそこに駆けつけることが出来たの。」

ハリーがあっと声を漏らす。

「今回、私がジニーの日記について知っていたのも、ジニーの中に入り込んで、それを使うのを見たから。」

改めて嫌な力だなと思う。
人の秘密も何もかもを見て知って感じてしまうこの力。

「…ヴォルデモートは、君の…レーヴのその力を狙ったってこと？」

「うん、多分。」

私は頷いた。

…

「……その力、今も使えるの？」

「いや、無理だと思う。使おうと思って使えない…それに力を使うと意識を失ってしまうし、頭痛もする。」

そうか…ハリーはそう声を漏らした。

「…それが君の隠していた秘密なんだね？」

「うん。ここでは、ダンブルドア校長と数人の先生が把握してるけど。このことがバレたら、ヴォルデモートのように悪用する人たちが出てくる…先生に口止めされてたってこともあって言えなかったんだよ。」

私はハリーの質問に一つずつ、丁寧に答えた。
彼は最初こそ驚いて言葉が出なかったようだが、少しずつ受け入れて納得してくれたようだった。

「僕も…秘密にした方がいいってことだよね。」

私は頷いた。

「うん。それでね、一つだけ力を抑える方法を知ってるんだ。」

「力を抑える方法？」

「そう…夢を見なくなる方法。レーヴの輪ってものなんだけど、レーヴの一族はこれまで、その輪を使って力を抑えて、魔法界やマグルの世界で姿を隠し続けて来たみたい。」

「君は輪を持ってなかったの？」

「うん、あの日、秘密の部屋に行くまではね。」

私はポケットからあの指輪を取り出した。

「これ…多分、レーヴの輪じゃないかと思うの。……棺の中に入ってたのを持って来た。」

「それが……？」

「うん、ちゃんと私に効果があるのかも分からないけど…」

それぞれ個人にあった指輪が必要なのかもしれないし、うんと大昔の指輪に効果があるのかも分からない。

何なら、あれが本当にレーヴの棺だったのかさえも確証はない。

「実はこのこと…他の人には言ってないの。ここまで話すのは、ハリーだけ。誰にも…ダンブルドア校長にも言わないで欲しいんだけど…いい？」