【ハリポタ】胡蝶の夢を見る7 (ページ5)

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「ああ…私の血に反応して扉が開きました。なんとなく入って、なんとなく棺を開けて、なんとなくご先祖様だと思ったんです。それだけでした。」

私は自分が鼻血を出していたことを思い出した。
今は止まっているが…まだぶつけた所がズキズキ痛む。

「そのようじゃな…A、君も医務室に行きなさい。わしはハリーともう少し話す。」

「はい、分かりました。……あとでハリーにレーヴの話をしても？彼にはもう…隠す必要ないかと思うんです。」

困惑するハリーにダンブルドア校長は頷いた。

「じゃあハリー…また後で。」

「あ……うん。」

私はその部屋を後にする。
…静かな廊下、やっと私は息をつけた気がする。

……

廊下の角を曲がったところで、勢いよく誰かとぶつかった。油断していた私は思わず尻餅をつく。

「わっ……」

「おや失礼。」

顔を上げて相手を見た瞬間、ドクンと秘密の部屋での出来事と同じぐらいに心臓が飛び上がった。

ルシウス・マルフォイ…ドラコのお父さんだった。
何だか機嫌が悪そうに見えた。

「…あ…マルフォイさん」

「これはA・レーヴ…ではないか。」

彼は私に気づくと、にこりと微笑んで手を差し伸べて来た。

彼は屋敷しもべ妖精を連れていた。厨房以外でみるのは初めてだ。しもべ妖精がいる家は裕福で由緒ある家系…という話を聞いたことがあるが……マルフォイ家の噂を思い出し納得する。

そもそも彼は……マルフォイ家は死喰い人だったという話だったし……ドラコを疑いたくないが、彼の普段の様子は家の影響だろう。

私と気の合うところなんて一つもないはずなのに……
無条件で私に笑みを向ける彼が、私は少し苦手だった。

「大丈夫かね？怪我でも？」

「ああ……これは別件で…驚いて転んだだけですから気にしないでください。」

ルシウスさんは私の制服を汚す血の跡を見た。

「マルフォイさんもご存知でしょう？秘密の部屋の事件を……私も襲撃にあったんです。」

彼はギョッと私を見た。

「でも大丈夫ですよ、もう解決しましたから。犯人も捕まったみたいですし……」

「…まさか、事件が解決したと？」

眉間に皺を寄せ、瞳を再び怒りで燃やすマルフォイさん。恐らくダンブルドア校長が戻って来たと聞いて駆けつけたのだろう。何が起きたのかは知らなかったらしい。

「……はい、医務室に行くところなんです。失礼します。」

私は逃げるようにその場を後にする。
彼はズンズンとダンブルドアのところに向かっているようだった。

事件が解決したというのにあまり嬉しそうじゃありませんね？……そう聞かなかったことを感謝してほしい。