【ハリポタ】胡蝶の夢を見る7 (ページ13)

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……

あっという間に家に帰る時が来た。
私はハリー達グリフィンドールの皆に混じって、ホグワーツ特急の数時間を一緒に過ごした。

ハリーとロンが爆発スナップ夢中になっているのを眺めたり、双子が花火に火をつけて大騒ぎになったり、魔法の練習をしたり。

「エクスペリアームス！」

ロンに向けて放った呪文は狙いがずれ、ロンのネズミにぶつかってしまった。ネズミのスキャバーズはロンの膝から座席に吹っ飛ばされてしまう。

「わ、ごめんなさい……！！」

「大丈夫、スキャバーズ？…わあ、眠ってるよ。今ので目を覚まさないなんて…」

私はネズミの無事を確認してホッと胸を撫で下ろす。

「珍しいわね、貴方が呪文を失敗するなんて。」

無事に武装解除の呪文を成功させたハーマイオニーは首を傾げる。

「…うーん、いつも通りやってるつもりなんだけど……」

…私は自分の指にはまっている指輪に視線を落とした。
もしかして…指輪の効果？魔力が弱くなって…これまでのやり方ではコントロールがうまくいかないのだろうか。

今までは直感的に呪文を扱えた。
……もっと集中して練習しないと、この状態では上手く呪文を扱えないかもしれない…

呪文の練習にも飽きて、皆はロンのお兄さん…グリフィンドール監督生のパーシーにガールフレンドが出来たという話で盛り上がっていた。

私はそれを聞きながらも、ぼんやりと窓の外を眺めていた。

私は…これで普通の学生になれただろうか。
誰の意識にも入り込まないで、誰かを傷付けることもなくて……ヴォルデモートにも狙われない。

指輪を手に入れれば全て解決する…そんな単純な話ではないことは分かっていたけど、少し期待してしまう。

…

ガラリと、突然コンパートメントの扉が開いたかと思うと、顔を出したのはコリン・クリービーだった。

パシャ、とシャッター音とフラッシュの光。

ハリーがびくりと固まるが、用があったのはハリーじゃなくて私だったらしい。

目が合った途端、コリンが大きな声を出した。

「A！やっと見つけました！」

「コリン…！体調はどう？」

「わあ、僕の心配をしてくれるなんて…本当に君って素晴らしい人ですよね。」

席を立ち上がってコリンの元に向かうと、背後で双子が繰り返した。

「確かに素晴らしい人だな。」

「本当にな！」

私は無視してコリンを向く。

「一体どうしたの？」

「僕、約束したでしょう？あなたに写真を渡すって！」

コリンは肩にかけていた鞄から何枚かの現像した写真を取り出した。

「…わあ、ありがとう…そういえばそんな話もしてたっけ。」

写真の中の私は、楽しそうだった。
母に渡そうと思っていた写真。