【ハリポタ】胡蝶の夢を見る7 (ページ12)

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私は余計に動けなくなってしまった。

「…あ、えっと、」

「ねえドラコ、夏休みに手紙を送ってもいい？」

「……ああ。」

ドラコとパンジーは私のことが見えていないかのように二人で話を始めた。

「……」

ぎゅっと胸が締め付けられる。
私は俯いて自分の足のつま先を見ていた。

どうして？
何で急に？

これまでの行いを思い出しても、何も心当たりは思い浮かばなかった。

「そこ、邪魔だよ。」

私はバッと顔を上げて声をかけられた背後を振り返る。

「え…あ、ノット。」

「君、生きてたんだ。連れ去られたって聞いて死んだと思ってた。」

私を押し除けて席に座るノット。
相変わらず腹の立つ奴。

「私が無事だったから学校が閉鎖にならなかったんでしょ。そのおかげで君もここに……」

ノットは私を無視して本を開く。
話しかけて来たくせに無視ですか。

「よう、A。」

今度はブレーズだった。
背後から現れたと思うと、ノットに視線を向けながら言った。

「そいつと話しても面白くないだろ。僕と話そう。」

「ブレーズ、ごめん、もう私…自分のテーブルに戻るよ。」

もう一度ドラコを見るが、彼は私に背を向けたままだった。

「……じゃあ、またね皆。」

「ああ」

返事をくれたのはブレーズだけだった。

……

ハッフルパフの談話室、暖炉近くのソファーで放心状態になっていると、ハンナとアーニーがやって来たのが視界に入った。

「おかえり二人とも。」

最近二人はよく一緒にいる。
随分と仲良くなったらしい。

ハンナは私と一緒にいると、余計な心配事が増えてしまうから丁度いい。

「セドリックと話してたの？」

「え？」

驚いてハンナの視線を辿ると、すぐ目の前の椅子で本を抱えるセドリックが腰掛けていた。

「セ、セド！そこにいたの！？」

すぐ目の前にいたのに気づかなかった。

「やあ、A。」

セドリックは赤くなった頬をかいて、照れくさそうに目を逸らす。

「こ、声をかけてよ…」

「はは、なんだか真剣に考え込んでいるみたいだったから。」

「あーびっくりした…いつからいたの？」

「君が来る前からここにいたよ。」

「嘘…それはごめんなさい。普通にぼーっとしてた。」

本当に私が気付かなかっただけ？
だとしても一言くらい話しかけてくれてもよかったのに。

「みたいだね。」

セドリックは笑みを浮かべながらじっと私を見る。

「…もしかして、ずっと見てたの？」

「いや、その……」

ハンナとアーニーがクスクスと背後で笑っている。

「ちょっと二人とも笑わないで…！」

頬が真っ赤になるのを感じながら、二人に怒ってるふりをして誤魔化した。