【ハリポタ】胡蝶の夢を見る7 (ページ11)

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【17-1】指輪と希望ページ11

しばらくしてハリーはやっと帰ってきた。
顔を真っ赤にして戻ってきた。

「ハリー、Aと何があったんだよ。」

「……いや、何でもない。」

「そんなわけないだろ？なあ、ハーマイオニー！」

試験が中止になったと言うのに勉強をしているハーマイオニー。本当にこいつは信じられない。彼女は教科書を読みながら適当に返事を返してきた。

「……夏休み、会おうって約束したんだ。」

「わーお、それってデート？」

きっと秘密の部屋で怪物から助けたことがきっかけになったんだろう。やっと結ばれるのか。

ニヤニヤとハリーを見ると、ハリーはさらに赤くなって反論した。

「そ、そういうのじゃないよ！」

あの事件以来、マルフォイもすっかりおとなしくなったし……ハリーにとっては好都合だ。ジニーの話だと兄貴達……フレッドとジョージもAのことを大層気に入っているらしいから、さっさと誰かとくっついてくれた方が僕としては気が楽だ。

「おめでとうハリー。」

「ロン！だから違うって！」

ふと視界の隅で、Aがマルフォイに声をかけているのが見えた……

「なんで！」

「なんでってそれは……」

「違う君じゃない……」

ハリーに気付かれたらまずい。
僕は慌てて目を逸らす。

ハリーは浮かれて気づいていないようだった。
こっそりと視線を向けると、その場で何やら話をしているようだが……

「男の子って本当単純よね。」

教科書を読んでいたはずのハーマイオニーがぼそりと呟いた。

……

大広間に戻ると、休暇が始まる前にもう一つ片付けたいことがあったのを思い出した。

私はゆっくりと深呼吸して、目の前にいるドラコに声をかける。

「ドラコ…」

「あ…やあ。」

彼はぎこちなく笑った。
あの日以来、ドラコはずっと沈んでいた。

ドラコのお父さん…ルシウス・マルフォイが理事を辞めさせられたことが原因か、事件が無事に解決してしまったからか、その理由は分からない。

だけど私を避けているのは事実だった。

「あの…隣、座ってもいい？」

「悪い、あとでパンジーが来るんだ。」

「あ……えっと、そっか…」

ドラコはいつも顔を見て話してくれるのに、ふいと目を逸らされてしまった。

「あの……私、何かしちゃったかな？ずっと私のこと、避けてるよね？」

「別にそんなことない。」

ドラコはぶっきらぼうに答えた。
私はどうすればいいのか分からず、何も言えなくなってしまう。

「でも……」

「あら、どうしたのあなた…こんなところに突っ立って？」

振り向くと腕を組んで誇らしげに微笑むパンジーの姿がある。