紅い眼の陽炎

４１話 ヨコハマ ギヤングスタア パラダヰス ページ43

Aside

中島さんは虎に姿を変えていた。


そんな中島さんを見て、そうこなくてはと少し口角を
あげていた芥川さん。

キッと芥川さんを睨んで唸り声をあげながら突撃する
虎──いや、中島さん。


中島さんに羅生門でかすり傷をつける。

──が、その傷は瞬く間に再生した。


────虎の再生能力…いや、根性骨(たふねす)か。

然し之程の高速で再生できるとは思わなんだ。


樋口さんには手に負えぬからと下がっているように
命じた芥川さん。

ああ、そんな悲しそうな顔しないで樋口さん。


美人さんですから様になってますけど。←

その表情好きですけど。←


そんな芥川さんの目の前に瞬時に現れる中島さん。

芥川さんは、羅生門をまるで蜘蛛の巣みたいな形に
させて防御を図るも、中島さんの強烈な一撃で
それは砕かれ壁に激突する。


形状変化もできるのか。
便利ですね羅生門。

それにしてもリーチが長い……。

ああ、なるほど。
だから芥川さんはススワタリ(まっくろくろすけ)と
化してるんですね。


そんなススワタリの芥川さんは壁に激突したからか
吐血をする。

おお、いいですね。
綺麗な赤黒い血ですか…。


うふふと笑いそうになるのを抑えながら見ると、
樋口さんは芥川さんをやられたからか、おのれ！と
銃口を中島さんに向けて乱射する。

──然し、中島さんには銃弾は通らなかった。


ビスッビスッと銃弾を跳ね返し、樋口さんへ向き直って
襲いかかる中島さん。

樋口さんが危険にさらされ、芥川さんは立ち上がって
羅生門を展開する。



芥川「『羅生門・顎(あぎと)』」



技名だろうか。
言葉を紡いで中島さんにそれを向ける芥川さん。


───まずい。

咄嗟に『目』を使い、谷崎さんの能力を使用する。


樋口さんの目の前で中島さんは真っ二つになる。

中島さんの裂かれたお腹からは綺麗な血飛沫がまい、
樋口さんの顔や服に滴る。


ああ、そんな樋口さんも素敵。
お綺麗ですよ、樋口さん。


生け捕りの筈が裂いてしまったので顔を険しくする芥川さん。

まあ光の加減でそう見えるだけかもしれませんが。


然し僕が谷崎さんの『細雪』で虚像を作っていたので、
中島さん─の虚像の虎─は消えていく。

今裂いたものは虚像だとわかった芥川さんはじゃあ
どこにいるんだとキョロキョロ見渡す。


なにその仕草可愛い。←

─────────
作者は基本みんな好きです。

文字数。

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