紅い眼の陽炎

２８話 ヨコハマ ギヤングスタア パラダヰス ページ30

Aside

まあそんなわけでくどくどとお説教をして
周りに迷惑を振りまいている上司二人組は
置いておいて、谷崎さんたちと話を再開する。



谷崎「改めて自己紹介すると…ボクは谷崎。

探偵社で手代(てだい)みたいな事をやってます。
そンでこっちが」

ナオミ「妹のナオミですわ。
兄様のことなら…何でも知ってますの」



谷崎さんにナオミさん。

谷崎さんはドッと抱きつかれて痛そうである。


何時(いつ)もこんな感じならこの人たちも
あの上司二人組みたく迷惑振りまいているんだろうな…。


ジ…と妖しい視線を兄である谷崎さんに向けるナオミさん。


橙(オレンジ)色の髪色の谷崎さんに、
綺麗な黒髪のナオミさん。

タレ目な谷崎さんに、ツリ目なナオミさん。


兄妹には見えない。

その気持ちを代弁するように、だらだらと汗を流す
中島さんが２人に問うてくれる。

どう応えてくれるのだろうと少しだけわくわくして
兄妹２人を見る。


すると何故だか視界が黒一色に染まってしまった。



ナオミ「勿論どこまでも血の繋がった兄妹でしてよ…？
このアタリの躯(からだ)つきなんて
本当にそっくりで…ねえ、兄様？」



何が起こってるのか検討もつかないが、
なんか……なんか怖い。


というか本当になんにも見えないのですけど。



貴「誰だか存じませんが取り敢えず
離してくださいませんか。

何が起こってるというのです？」

太宰「Aちゃんは知らなくていいよ〜。

ねー、国木田君っ！」

国木田「ああ、知らなくていいぞ」



一体何があったというのですか…。


そんなことはさておき、中島さんが皆さんの前職を聞きだす。


そして何故かその場がシーンと静まる。

なんなんですこの雰囲気。


そして何故か太宰さんが何してたと思う、と聞き返す。

どうやらこうして新入りが先輩の前職を中(あ)てるのが定番らしい。


中島さんは早速、目の前に居る兄妹の前職を中てにいく。



敦「谷崎さんと妹さんは…学生？」

谷崎「おっ、中ッた。凄い」


ナオミ「どうしてお分かりに？」

敦「ナオミさんは制服から見たまんま。
谷崎さんのほうも───。

齢(とし)が近そうだし、勘で」



まあそうでしょうね。

あ、意外と楽しいかもしれない。

この前職中て遊戯(ゲーム)。

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