紅い眼の陽炎

２３話 或る爆弾 ページ25

Aside

敦「ね、だから爆弾捨てて一緒に仕事探そう」

爆弾魔「え、いや、ボクは別にそういうのでは」



狂気すら感じる本気(マジ)な顔にその台詞。

流石の犯人も顔を青ざめてバッと身を引く。


ああ…素って怖いなぁ…。←


今だ、と国木田さんに合図を送る太宰さん。


離れておいた方がいいだろう。
人質さんと少し離れた机のあたりに避難する。



国木田「手帳の頁(ページ)を消費(つか)うから
ムダ撃ちは厭なんだがな…！」



悪態をつきながらも手帳を出してペンを取り出し
構える国木田さん。


『独歩吟客(どっぽぎんかく)』


異能力名であろう単語を発して手帳にガリガリと
文字を書き、その頁を破る国木田さん。



国木田「手帳の頁を───鉄線銃(ワイヤーガン)に変える」



すると何故か手帳の頁が銃に形を変える。
成程、そういう『能力』もあるのか。

銃を構えて発射、犯人の手にあった起爆装置を
犯人から遠ざけるのに成功した。


確保っ！という太宰さんの声に合わせて国木田さんが
机に手を付いて犯人の顔面を蹴る(キック)。


ゴッとか聞こえたけど大丈夫ですかね。
割と本気でやりませんでしたか国木田さん。


食事処で中島さんを取り押さえたように
犯人を抑え込む国木田さん。

その犯人の蹴られた部分からはシュウウと煙が。


うわぁ…こればっかりは犯人に同情ですね。←


緊張の糸が解けたのかへな、と座り込む中島さんに
グッと親指を立ててニッコリと笑う太宰さん。

見れば見るほど事件解決感がある。


中島さんはふらりと立ち上がってそんな太宰さんに
手を挙げて返事を送る。


───が、中島さんの背後からヌッと手が出てきて
中島さんを押す。

勿論行成(いきなり)のことだったので均衛(バランス)を崩し、
ビタンッと倒れ込む中島さん。


その際にピッという何かの釦を押した時のような
音が聞こえた。


ピ？と中島さんは手元を確認する。
そこには起爆装置の釦が。



敦「あ」

貴「あ」
太宰「あ」
国木田「あ」


敦「ああああああッ！？？」



やってしまった、といわんばかりに『あ』と声を揃える。

どうやら爆弾は時限式爆弾だったようで、
なんと驚くべきことにあと５秒で爆発する。


後ろを振り返るも皆呆然と固まっていて、
中島さんは何か上に被せて爆風を抑えることを
思い出したのか自ら爆弾の上に被さる。


さあ、カウントは零になる。

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